トランスフォーマー トップガン マーヴェリック

トランスフォーマー

※この記事には映画「トップガンマーヴェリック」のネタバレが含まれております。

皆さまお久しぶりです。ゴールデンウィークからの狂ったようなおもちゃラッシュ。どれを取り上げようか迷っているまま注目の目玉商品も控える五月末になんの準備も出来ぬまま突入…当ブログの意識の低さが窺えてしまいます。

そんな最中にご紹介する今回のおもちゃも極めて突発的なチョイス。本日は幾たびかの延期を重ねようやく封切りとなった映画「トップガンマーヴェリック」に因んでトランスフォーマー xトップガンのコラボレーティブアイテムである「トランスフォーマー トップガンマーヴェリック」をご紹介!!(商品名が映画タイトルとモロ被りでややこしい!!)

今回は最新映画に与えられた興奮をそのままに「トップガンマーヴェリック」の感想も交えながらのご紹介と行きたいと思います!

ガッツリ全容を記載するつもりもありませんが、あくまで見た後の感想という形になるためこれから映画を見ようという方はここで一時ブラウザバックをしていただくのがよいかと思われます。

それではまずはビークルモードからどうぞ!

ビークルモード

言わずと知れた戦闘機、F-14 トムキャット。

コクピットの両サイドに並ぶインテークがめちゃくちゃカッコいいですね。当方ミリタリファンではない為、詳しい機体解説はしない方向でご容赦いただきたいですが、今回の「トップガンマーヴェリック」では時代設定がそのまま前作から地続きとなっているため、当然扱いとしては現実同様に旧型機というふうになっていました。

その為劇中では主にスーパーホーネットの活躍を見ていくことになるのですが、なんとこのトムキャット、映画のクライマックスで敵基地に残された型落ち機体として窮地に登場するんですね…!(映画レビューが下手過ぎる!オチから話し始める最悪の感想。)

「トップガンマーヴェリック」は全体的に前作を踏襲しまくった内容だったので、勘のいい方は途中の作戦会議辺りで「これ最後にこのトムキャット乗ってなんかするだろ」と気付けるかもしれないですね。自分は前作を最後に観てから結構時間が経っていた為、のほほんと映画を観ていたので墜落したマーヴェリックとルースターが敵基地に忍び込むシーンではまんまと驚かされてしまいました。

そんなこんなで「トップガンマーヴェリック」でもこのF-14トムキャットが大いに活躍してくれるわけでして、映画を見終わった自分は自宅に直帰して真っ先にこのトイを手に取ってしまった次第です。

話を商品の方に戻すと、まずは最初に本製品最大にして唯一の欠点に先んじて触れておいてしまおうと思います。このTFマーヴェリック、基本的に造形も良く今回のための完全新規アイテムという力の入り様なのですが、ぱっと見の印象がなんといっても「成形色が薄ぼんやりとしていて安っぽい」という一点に尽きます。

変形トイなので全塗装にされるとそれはそれでマイナスに働く為、成形色である事は正解なのですが、環境光を見事に透過してしまうこのプラスチックの質感は一見するとフルプライスの商品ではなく、スーパーや100均で扱われているフックトイの様な見た目を擁しており、重厚であるはずの兵器とは真逆のイメージに着地しております。

本当にこの一点だけが残念極まりなく、せめてスタジオシリーズのスタースクリーム の様に青みがかったグレーであったならどんなに良かったか。コラボアイテムはその性質上、従来のトランスフォーマーファン以外にも手に取ってもらう事を目的としている筈で、ましてやそれがトップガンのファンとなれば「航空機のイメージ」に一層強いこだわりを持っていると考えるのが当たり前であるかと思います。トランスフォーマー側の事情など考えてはくれない客層を相手取る上で「航空機らしいスマートな重厚さ」をかなぐり捨てた様な成形色は悪手でしかないというのが正直な所。

実際に各部のメカディテールも細かくマスターピース以外のトランスフォーマーらしからぬリアルさを誇る商品なのですが、成形色がぼんやりとしている為自ずとそれらの造形も目立たないものになってしまっています。(最初に欠点を長文で書いちゃうの、玩具レビューとしても下手な気がする。)

兎にも角にも成形色がこの商品の評価を大きく下げているのですが、それ以外の面ではどこも見所に溢れており、個人的に唸ったのが機体先端の下部にある光学レーダーの再現。

「再現」、などといかにも知ったふうですがこのメカニック部分は実際に「トップガン」の冒頭でも大きく写され印象的な部位であるので自分の様に航空機に造詣のない人間でも感心できる部分。

サイズの関係でアバウトな造形ではあるものの、本来のトランスフォーマー玩具で基本的に再現されないような部分なので今回トップガンコラボのために独自に拘って造られているというのが伝わってきます。可動して収納展開出来る点も含めとにかく好印象。また、周辺のプリントディテールも精密感を上げてますね。マーヴェリックとグースの名前がプリントされていていい感じです。

新作映画ではマーヴェリックことピートは30年経った今尚親友グースの事をめちゃくちゃ引きずっているので、全体的に前作後半の様な空気感が強く出ていた印象でした。映画の構成自体もあえて前作と全く同一になるように作られたうえで、前作から直接地続きのストーリーとなっているので予習せずに見てしまうのは相当に勿体ない映画ですね。

さらに言ってしまうと前作と今作の展開の被せ方は執拗ともいえるほど丁寧に似せられているのですが、下手をすると「焼き増し」と受け取られかねない構成は「観客も作品と同程度に年数を重ねていることを想定」しての演出であるのかもしれません。

早い話が「適度に忘れているであろう事を見越して作っている」んじゃないかと思っています。映画全編が贅沢なリフレイン演出の塊のようになっており当時のファンに向けているのが強く伝わってきて、もしかすると駆け込みで公開一週間前に「トップガン」を慌てて観始めても「トップガンマーヴェリック」の良さは解らなかったかもしれません。この点は個人的に延期が挟まれたおかげで「トップガンを忘れる時間が出来てよかったかも」と思う部分ですね。(確か自分はTFマーヴェリックの海外版発売直後に視聴をしたのでまあまあなニワカっぷり)

トップガンと共に重ねた年数がある分だけ「トップガンマーヴェリック」の味わいも変わってくるのだろうなあと思いますね。

機体全体にわたって貼られているウェザリングタイプのプリントも見た目の情報量を補ってくれています。成形色が良ければもっと効果的だったろうなあ。

また、航空機としてのプロポーションも中々脅威的であると思われます。

機体表面の造形が心なしか普段のトランスフォーマーよりも空力を産みそうななだらかな形状になっており(頭悪そうな言い回し過ぎる)航空機としてのリアリティに貢献している様に感じます。

トランスフォーマーの航空機は大抵底面にロボットが貼り付いていて下や横から見るとハッキリ「おもちゃだな」とわかる感じであったのですが、このTFマーヴェリックはロボットモードのパーツが露出しているのは機体底面中央部のロボット腕部ぐらいのものに。実機ではこの部分は窪みになっているのでそこを陰にして上手いこと隠したという感じですね。ここにミサイルを載積するケースもあるそうなので、物体があること自体は別におかしくはないのかなと思えるので尚の事上手い処理だなと思います。

そんなわけで総じてビークルモードのクオリティは高く、成形色さえ良ければ模型にも並び立てるポテンシャルがあったのではと思いますね。

しかしながら模型であれば見た目が全てであり、成形色に躓いた時点でお終いとなる所ですがこれはトランスフォーマー、変形玩具なのです。変形玩具は見た目が幾らか甘くてもほかに魅力的な要素が沢山あります。

その最たる例と言える変形で魅せてこその変形玩具。それでは高らかにトランスフォーム。

例によってガ◯ォークのような形態にもなりつつ歯ごたえのある変形をしてくれます。大すじはシンプルに航空機の特徴を活かす形になりますが、要所要所で個性を出していく感じに。腕周りの大胆な移動や、胴体を下に降ろすと同時に腰部の幅が左右に広がるオートモーフ的な連動変形は是非味わっていただきたい部分です。

ロボットモード

ロボットモードは正に飛行機が変形したなという印象のデザイン。トランスフォーマー的に言い表すと「G2フリップチェンジャー」たちのような文法ですね。派手すぎずリアリティラインの低めなSF調のデザインですが、やっぱり成形色で損をしてる感は拭えないです。

また、従来のトランスフォーマーであればビークルの底面は気にしない方向で作られるのでロボットモードは凹凸の多い賑やかな見た目になるのですが、今回はビークルモード優先の設計思想なのでそこも加味してアッサリめのデザインな印象ですね。

機体を貫くインテークからエンジンノズルまでの部分をそのまま脚にしている箇所は特に「ビークルモード優先」である事が強く窺える部分でないかと思われます。この辺りは単純にビークルとロボットどちらを取るかのトレードオフの関係ですね。

背面はここまで説明した要素の皺寄せが来ている感じに。航空機そのままの部分以外は肉抜き箇所だけが悪目立ちしているかなあと。まあ変形玩具なのでその辺りはしょうがないと大人のスルーをしてください。

ベージュがかった成形色の中で存在感を放ちまくる頭部。人形の命である顔は非常にアイコニックな「マーヴェリックのヘルメット」をほぼそのまま置き換えたようなデザインとなっています。

「トップガンマーヴェリック」でもトムクルーズが被るのはやはりこのデザインのヘルメットなので(完全に前作と同じプロップであるかは分かりませんが)妙に変化球で挑まず直球できてくれたのは嬉しい部分です。一周回ってロボ化したトムクルーズの顔が造形されてても面白かったかもとか思いましたがトンチキおもちゃになっちゃいますかね。

可変翼は当然ロボットモードでも生きており表情付けが可能です。

太腿に付けっぱなしにしている燃料タンクは先端をクルッと反転させてハンドライフルに出来ます。コラボレーティブ関係なく、こういった合理的な処理は大好きですね…実写期のトランスフォーマーを思わせる処理でなんとなくの方向性を窺えます。

アクションポーズ

可動範囲は全体的に広め。というかいつもの感じですね。変形の都合で腰だけ回りませんが、手首の回転や足首の左右可動にはフォローが入っているので出来る範囲でベストを尽くしている感じ。

下半身はアッサリしてる分、上半身は複数のパーツが折り重なる変形によって物理的に情報量が出ているので見応えのあるデザインになってますね。

エルガイムのランダムスレートみたく開閉しそう。

ビークルモードの出来が非常に良いので撮影が楽しいです。望遠レンズで撮影すると劇中の印象により近くなりますね。

F-14トムキャットの物語における重要性は前作に比べて遥かに大きくなっていましたね……

かつての相棒の息子であるルースターとの確執などあらゆる苦難を乗り越えた果てに、そのルースターとトムキャットに乗り込むんですからカタルシスが異常…。ロボットアニメでも観てるのかという気分になりました。

爆撃されて荒れた滑走路から脱出する際にF-14の可変翼を活かして短い滑走で飛び立つシーンはカッコよかったですね。

ルースターが可変翼の意義を問うセリフを放ちながらも翼を水平に広げて急上昇してみせるシーンは当時世代のファンは気持ちよかっただろうなあと思います。

トムキャットに乗り込んだ時点で必然的に予想できるのが「パラシュートでの脱出シーン」になるのですが、意外な形で乗り越えさせていたのがよかったですね。

グース同様ルースターも脱出に手間取るアクシデントに見舞われるわけですが、そこに颯爽と新世代のアイスマンポジションとも言えるハングマンが窮地を救ってみせるというのは個人的には全く予想していなかったので非常に驚かされました。少し手間取った後にグースとの回想を挟んで無事脱出するのだろう…と思っていただけに、そう来たかと思いましたね…。着艦後のやり取りも正にアイスマンを引き継いだ立ち位置で「欲しかったシーンのオンパレード」という感じ。

そう考えるとルースターは新世代におけるマーヴェリックとグースを一役に担ったキャラクターと言えるわけですが、吹き替え版のキャストが宮野真守さんだったのは前作のBD・DVD版でマーヴェリックの吹き替えを担当していた塚本高史さんの「トーンの高めな若者らしい軽さ」のある演技を意識してのキャスティングなのかもしれないですね。

ジョルノ ジョバァーナみたいなモン。

記事の主役がトムキャットに変形するロボットなので映画の感想もトムキャットが登場する終盤に引っ張られがちではありますが、当然序中盤も隙のない造りになっていましたね。

予告を見た印象では雪山を舞台に最新のCGでドンパチやる映画…という印象すらありましたが、正に杞憂もいい所でした。

部分的に現代ナイズドされている箇所は当然あるのですがサンディエゴの日差しが作る画面のコントラストや蒸せ返るような熱気は正に自分がイメージするトップガンそのものだなあという感じ。

バイクで並走するシーンやビーチバレー…の代わりにラグビーに興じるシーンなど汗臭さ満点。

ちなみにこのTFマーヴェリックにも付属品としてミニチュアのバイクと手に持たせられるバレーボールが付属しており、映画のシーンを再現したりしなかったり出来ます。

ただ今回は買ってから期間がかなり空いてしまっており、ちょっとどこに仕舞ったか思い出せないので割愛させてください…

トップガンの次回作制作権をトムクルーズ氏自ら買取りここまで温め続けてきたというだけあって映画の方はそうそう文句の出ない出来になっておりましたね…個人的には冒頭以外にももう何度か「danger zone」を聴かせて欲しかったという部分がありますが、本当に思いついてもそんな程度しか不満が出てきません。

続編制作権を買い取った背景に「前作の評価を落としかねない」という危惧があったとの事ですが、今作はそういった懸念も見事にクリアしていて「トップガンマーヴェリック」を楽しんだ上でなお「トップガン」が更に好きになってしまうという満点この上ない着地の仕方をしていると思いますね…。

トム・クルーズ自身の思い入れも尋常ではないことが演技の端々から感じ取れ、過去の清算と言う点ではこの映画に臨むうえでマーヴェリックと重なる部分が非常に多かったのだろうな・・・としんみりしてしまいました。

映画も良ければ関連商品の出来も良いという素晴らし過ぎる動線が引かれていると思いますね…

それだけに成形色の安っぽさが残念過ぎる。

会社にもよりますがこういった材質面の管理は原型を作った者とは異なるセクションの管轄であるらしく、トランスフォーマーの場合企画や財務はハズブロの管轄になると思うのですが、コストカットも度が過ぎているというかこれで「トップガンマーヴェリック」を観た客が何も言わないと思っているのであれば、いい加減目を覚ましてもらいたいのが正直な所ですね。


商品レビューと映画の感想が入り混じり主題ブレブレの悪い記事になった感アリアリですが以上、トランスフォーマー トップガンマーヴェリックのご紹介でした。

玩具の発売そのものは2020年10月に海外で、21年8月にタカラトミーモール限定で日本国内にて発売されている物になります。

現在では正規の販路で買う事が出来ない商品ではあるのですが、映画の度重なる延期もありすっかり熱を逃したタイミングでの発売になったため、現在の中古相場はかなり落ち着いており入手自体はかなり容易であると思われます。

航空機のリアルモデルに比べると劣る点はいくつかあるのですが、それでもトランスフォーマーの基準では精密な造りで再現されたビークルモードや、なによりも可動を備えたオリジナルのロボット形態へ変形するという他には絶対にない大きな魅力を持っている商品であるため、変わり種のファンアイテムが欲しいという方に是非ともおすすめしたい一品です。「トップガンマーヴェリック」の熱に浮かされたまま手に取っていただくのが非常におすすめ。

それではまた次の記事でお会いできればと思います。

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