DX ドンオニタイジン

スーパー戦隊シリーズ

皆さまご機嫌よう。

本日はそこらかしこで絶賛の嵐、大ヒット発売中のDXドンオニタイジンで遊んでいきたいと思います。

正直な話、プロモーションを兼ねた公式の発売前レビューがすごく詳細な上に開発者インタビューも充実しており、ドンオニタイジンを紹介している有志もごまんといるので自分もわざわざ追従する意味は最早ないと言って良いのですが、実際に触って感じたギャップも踏まえて素直な感想を書いていくという意味では自分の所感も一つの意見として存在しても良いのかなと思い、今回記事にしたためることに致しました。

とはいえ「逆張りして辛口レビューしてやる!」などというつもりも微塵もなく、単純に良かった点悪かった点どちらも忌憚なく述べていこうと思っております。まあつまりなんだかんだでいつも通りではあるのですが。

そんなわけで今回もお付き合い頂けると幸いです。

変化球的路線を突き進む近年の戦隊にありながら、今作のロボであるドンオニタイジンはストレートな方式の5体合体となっており今の20代30代の大人にとってはどこか懐かしさの感じられるロボ玩具となっているように思います。しかしながらそれは懐古路線という後ろ向きな物ではなく、方々で報じられている通り革命ともいえる野心的な挑戦に溢れており新旧戦隊シリーズの要素をフル動員させてクオリティを上げようという極めて前向きな姿勢を強く感じます。

まずは分離形態から各メンバーをサラッと見ていき、その後に今回最大の目玉である合体状態で存分にポージング遊びをさせていきたいと思います。

それではどうぞ。

ドンロボタロウ

合体の核となる言わずと知れたレッド、ドンモモタロウのアバターチェンジした姿。足の細さが賛否を呼んでいますがこのデザインは合体の都合もありつつ、ZOEのアヌビス等の影響を受けた近年の特撮外で流行しているロボデザインを取り込んだとの事です。

個人的にはああいったテイストのデザインは好みから外れるというのが正直な感想なのですが、今回のケースでは単純に別ジャンルからも積極的に異なる流れを取り込もうという野心が光るのが面白い部分ですね。

足に限らず細かく見ていくとこれまでの戦隊ロボにはない意匠が所々にあると思います。

背面には合体時に使用する兜をマウント可能。こういった合体用パーツが5体とは別に存在するのもどことなく往年の戦隊ロボ玩具を連想させます。自分の世代の玩具ではこういったパーツの処理はまちまちとなっており、武器等は思い切って余剰と言うのが当たり前だったのでこういうのは純粋に嬉しい処理。ドンオニタイジンは付属品がすべてどこかしらに取り付けられるようになっているので完全に余剰が出ません。

一方で、この兜の取り付けは少々ロックが浅いためふとした拍子に外れてしまうのが難点でしょうか。5年後ぐらいに「中古のドンオニタイジンは兜が欠品しがち」と語り草になっていそうでそこも大人の目線だと若干面白い部分だったりします。

今回、以下全てのメカに言える事ですが、合体後の可動にギミックを割いている関係で個々のギミックは薄め。

ドンロボタロウでは合体後に使う関節以外は無可動と割り切った構造になっています。

ロボタロウの腕ぐらいは回っても良いのかなと思いつつも、このサイズの商品を1万円以下に抑える苦労がインタビュー記事からヒシヒシと伝わってくるので仕方がない部分ですね。個人的には大前提として合体にストレスを感じるのは嫌なので今回の割り切り方は非常に嬉しいです。

うおおーッ頑張れば金田ジャンプが出来るぞーーーッ

ギミックと言っていいのか微妙ですが、破損対策のために出っぱった箇所のいくつかは脱着可能になっています。

胸部アーマーも取り外すことが出来、その下にはメカディテールが造形されているのでもしかすると「目に触れる箇所は最低限見映えを確保=目に触れる事を想定している=脱着を意図している=今後合体に使うかもしれない」という事もあるかもしれない?

想像するのは自由ですわよ〜

脚部もロール箇所で外すことが出来ます。既に周知の事実ですがドンオニタイジンは可動をウリにしつつも今後さらに合体を予定しているらしく、その為の自立性を確保する関係で股関節の可動範囲は控えめになっております。

目敏い方は写真を見てお気づきかもしれませんが、腿のロール軸にはストッパーが設けられており内側には回らないよう制限をかけられています。事前情報であまり動かない事は覚悟していたつもりでしたが、実際に手に取ると結構ガチガチに制限が多いので少々面を食らったというのも正直な感想です。

自己責任で改造を施し可動をアップデートさせている方を見かけますが、太ももの内側可動もストッパーを削る事で動かせるように出来るかもしれないですね。

サルブラザーロボタロウ

続いて腕担当サルブラザー。肩と頭部がヒンジで繋がれている関係でこちらも単体時の可動は控えめ。例によって置物ではありますが「腹筋パーツ」など強すぎる個性も搭載していたりと印象の地味さは皆無です。

作中の猿原のキャラの良さもあっていいかんじの印象。タロウに自分たちのありがたみを教えるためと厳しい態度を見せつつもメンバーの中で一番心配そうにしていたり真っ先に助けに入ったりと変わり者ながら人の良さが見え隠れする感じが好きです。

ちなみに腹筋パーツを外すと内部構造のようなメカディテールが。

ビーストウォーズ玩具の様なグロテスクさすらある味付けで非常に気に入っている部分です。個人的にこういった、ロボットなどに骨や脊椎など生体的なディテールが入れられてるのはとても大好物なのでやりすぎない範囲でさりげなく見れると嬉しいですね。

背面にもシリンダーやスラスターの様なディテールが。可動はなくともこういった目で楽しませる要素があり、かつ合体を後に控えているのでワクワク感がありますね。

キジブラザーロボタロウ

武器と肩のシルエットを担うキジブラザー。歴代のピンクの担当メカはあってもなくてもいいのでは?というぐらい投げやり気味な合体ギミックであることも時折あるのですが、キジブラザーの有無はドンオニタイジンのシルエットを大きく変える役割があるので劇中で「肩だけ!?」と言われつつもかなりの重要ポジションであったりします。また、鳥型メカだからと言って必ずしも羽根をロボットの羽根として扱うわけではない戦隊ロボの中でキジブラザーの羽根は明確にオニタイジンの羽根として機能しているのも好印象な部分。

そして極めつけはロボの剣を彼が収納しているという点。近年は余剰パーツに関してなにかしら工夫が入っている為、現行の戦隊をちゃんと追っているというファンからしたらあまり珍しくはない事であると思うのですが、前述の通り合体方式は10年・20年以上前の時代に王道と呼ばれていたものを採用しており、その時期の商品では剣を余剰にするのは当たり前の事であったので「あの時代のロボの良い部分を残しつつ欠点を取り去ってくれた」という印象が嬉しく思える部分です。20年越しの未練を断ち切ってもらえたような感動があります。

剣に関しては一点だけ個人的に惜しい部分があります。それは剣を持たせる場合拳を開いて握らせるのですがその際に写真のように持ち手の肉抜き箇所がジョイントの役割も持っており、手のひらにある凸軸をここにはめ込むことで持たせるという形式を採用しています。

御覧の通りジョイントが設けられているのは片面のみとなっているので、左右の拳と剣はそれぞれ対応した方だけを持たせられるという形になっています。

自分は撮影の際に剣の片面の大きな肉抜きを隠すために両手の剣を入れ替えるという算段を取ろうと考えていたので、結果としてジョイントが邪魔をして保持力を犠牲にしなければ持たせられないという事に。撮影が終わればどうでもいい事でほんとうに個人的な部分なので悪いとかではないですが、出来たら両対応が良かったなと思った次第です。なので今回は結局左右入れ替えるなどこざかしい事はせず、面倒なのでガッツリ肉抜きも映す方向になってます。

合体後の役割について多く触れましたが、クリアパーツを採用しており単体の見映えも素晴らしいです。クリアパーツの奥には密度感のあるディテールが彫られており、つるっとしたボディと対照的な情報量でコントラストが際立つ印象。

パーツ成型の関係で頭部がほぼフル塗装となっているのも何気に質感が良い部分です。

イヌブラザーロボタロウ

続いて左足のイヌブラザー。後述のオニシスター含め個人的に最も「自分の世代の戦隊ロボっぽい」と思う部分です。あくまで個人的な所感なのでツッコミ歓迎ではあるのですが、こういった「単体モードの先頭部分を前に向けて本体を垂直に立てるだけで膝より下の足になる」と言うタイプの変形はここしばらく見なくなって久しい気がします。

四肢を可動させてやんわりとポーズ付けが可能。こういう部分も戦隊の脚担当の4足動物メカあるあるを見事に踏襲していて懐かしく面白い部分。

また、脚が変形とは関係のない上方向にも多少跳ね上げられるようになっている為イヌ科らしい表情付けに一役買います。

変形機構を利用して胴体を曲げられるので飛び掛かるようなポーズが取れなくもないぞーっ!

公式の開発者インタビュー曰く、イヌブラザーのボディはただの真っ黒ではなく少し青寄りのトーンを含んだ黒というニュアンスになっているのが彩色担当の方のこだわりだそうです。なんでも黒は各メンバーのサングラスの部分と被るため差別化の必要があるのだそう。言われてみると「ブラック」のイメージを崩さない程度にほんのりと明るめのトーンな気がしますね。

オニシスターロボタロウ

脚要員その2、右足担当オニシスター。人型で可動部もなく、脚としての特徴はイヌブラザーと同じなのでオニシスター独自の観点ではあまりいう事がないのが正直な所。

とはいえここまで5体を見てきて感じるのはやはり構成メンバーのユニークさ。世間ではドンオニタイジンは和風モチーフである点がカクレンジャーのロボを連想すると言われておりますが、自分も「人型+その他」という構成のバラエティ性にはどこか隠代将軍やメガレンジャーのメガボイジャーなど一癖あるポジションのロボと同じ魅力を感じることが出来ます。

首だけ変形の都合で回転させられます。

オニシスターに限らない話ですが、足裏には今回の変形には一切かかわらないジョイントが。

公式インタビューにて「今後の展開」と称してさらなる合体については既に触れられており、ここのジョイントももしかするとそこで用いられるものなのかも。それが所謂「ゲタ合体」のための物なのかはまだ不明ですが、どちらにせよこのクオリティのロボ玩具に更なる合体が控えているのは大変素晴らしい事です。

それではいよいよオニタイジンへと合体。

細かくは割愛いたしますが変形機構は非常にシンプルかつ豪快。手足をそれぞれ変形させてから同体であるドンロボタロウにガチャンガチャンと組付けていく、見た目にもカッコいい合体方式なのでいかにも人型のタロウからパワーアップした感が溢れており気持ちいいです。兜や腹筋パーツを用いたこまかなアクセントもあり王道ながら変化球を忘れない近年の戦隊らしい挑戦も感じられます。

だーいがったい!

だーいがったい!

ドンオニタイジン

各所で話題の足を外してそれっぽくするやつです。

いざ!出陣~~~・・・!!

文句なしのカッコよさ。ほんとに称賛以外出てこないですね。

開発サイドのこだわりの一つである「全員の顔が正面を向いている」と言う点も体のシルエットに沿って綺麗にx字に散って配置されているのがかっこよさを両立できている所以であると思います。

力強いプロポーションで立ち姿が様になり過ぎ。

似たような構図でもついガンガン写真撮ってしまいます。初報で腹筋パーツについて知った時は「胸パーツの蔭になってるし地味な行程だなあ」と思ったものの、実物を手に取ると思っていたより主張してきます。逆三角形な上半身のシルエットに説得力を持たせてくれる、大変マッチした行程でしたね。

加えてこのサイズ。オニタイジンのみなぎるパワーをこれでもかと体現しておりますね・・・。

肩に位置するキジブラザーの羽根が飛行用のウイングを兼ねつつ鎧武者の肩鎧のようになっているのがわかりやすい見立ての仕方で素晴らしいですよね。刀の背の部分にのぼり旗の支柱を差し込む「チチ」と言われる箇所をイメージしたと思われる造形が施されているのもオニタイジンの鎧武者らしさを底上げしている芸コマ部分ですね。

そんなわけで見た目に関してはもう100点満点なのですが、同時に一つ嘘をついていた事を明かさねばなりません。

先ほどまでの写真、かっこよく両足を広げて仁王立ちしておりましたがアレは実は本来の仕様上不可能な姿勢維持をしている写真であったりします。このドンオニタイジン、実は股関節と脚部のクリック位置がやや大雑把であり、綺麗に立たせるためにはクリック関節で止まる位置からは少しズレた位置で脚を止める必要があるのです。

クリック関節の位置決めに従って立たせるとこのようになります。

足が綺麗に真っすぐを向いているのでやや内また気味に。従来であれば気にならない部分なのですが、プロポーションが整っていて人体としての解像度が高まった分、姿勢の不格好さはこれまでより少々シビアに気になってきてしまいます。

太腿のロール軸が内側に一切動かない点も含め、個人的にはキレイに立たせるためにどうかもう少しだけクリック関節の幅を細かく作ってもらいたかったという惜しさが残ります。とはいえこれらの問題点は戦隊ロボ玩具には今までなかった要素であるので、まずは純粋に進化を喜ぶべきであるし次回以降の商品展開ではクリアされる可能性も大いにあるので個々人で受け取り方にも差があると思います。

あくまでクリックの位置が大雑把と言うだけで小改造を施したり自分のように撮影用にやや強引な方法を取ることでも解決は可能なので、あくまで「惜しい部分」というだけでこの一点を理由に購入を諦めるほどではないと思われます。

アクションポーズ

気を取り直して今回の目玉である可動について。いわく「鬼動く」という事ですが可動範囲に関しては要所で言及した通り、安全のために制限があったり大雑把な箇所もあったりで融通はやや利きにくいです。とはいえ張り出した両肩や大きな武器でシルエットの変化は大きく付けられるので「柔軟に動く」というより「シルエットで魅せる」と言う方向でポージングの楽しさが出ております。

肩も制限が多少ありつつ工夫でどうにでもできる程度に動いてくれるのでバストアップで構えるポーズもしっかり見映えよく決まります。

股関節を左右に広げる事は不可能なので足を前後に出して腰を回すことで広げたように見せる事が可能。

ここもインタビューで触れられていた点ですが、幼児が触っても問題がないように関節強度を高める場合、必然的にパーツ単位のサイズも大きくなるため結果として全体のサイズが大きくなり、その関係で重量も高まるため可動範囲も自立が可能な範囲にとどめるという、様々な因果関係を理由に決定された事であることが開かされています。

実際の所ドンオニタイジン「だけ」であれば股関節の左右方向への可動があってもギリギリ問題がなさそうではありますが、ここにさらに追加で重量が乗るとなると股裂き状態は免れないというのが触っているとよくわかります。アクションフィギュア的な目線では惜しさを感じますがここは流石に遊びながら諦めがつく部分です。

基本的にポージングの幅は限られているのですが最低限見栄えのいいポーズは取れるよう配慮されているので撮影が楽しいです。戦隊ロボとして正しく見ると間違いなく「鬼動く」のでついつい基準をアクションフィギュアと同列にして考えてしまいそうになります。

睨みの効いた顔と派手な胸パーツのおかげでバストアップの構図も鬼カッコいい。ホント見た目に関してはただただ誉め言葉ばかり出てくるのでレビューをする意味を見失います。自分なんかがわざわざ言葉にするまでもなく誰が見てもめちゃくちゃカッコいい。

劇中のスーツとはプロポーションこそ違うものの、脚を開いた時の幅が劇中のアクションシーンと近い印象を受けます。

あまり動かないというような事を散々言ってきましたが、実際の所劇中ではスーツを着た人間が動く関係で物理的な干渉は玩具以上にあるため、あまり足を大きく動かす事も少なく劇中再現をするなら十分な可動なのだろうと思います。

保持力を考慮して可動を制限する場合に腰は真っ先に動かなくされると考えていたのですが、意外なことに360度ぐるっと回転させることが出来ます。

キジンソード!!

鬼神と雉をかけたネーミングだと思うのですが、それをサルブラザーが叫んでキジブラザーが「そんな名前なの!?」と驚くシーンが好きです。劇中の扱い的にはその場のノリで思いついたんでしょうかね。

何気にシルバーの成型色の質感が非常に良くギラっとした印象が出ています。玩具もフィギュアも見本や宣材写真ではギラギラだったのに手元に来た奴はなんか違う・・・となりがちなのですがそういった心配もなく大変綺麗。

胸の中央に丸い穴が開いているので時々ファイバードに見えてきます。

ここまで言及するのを忘れておりましたが、実は足首が結構動きます。

宣材写真でもわかる通り左右は勿論なのですが、前方向にも傾けることが出来るので意外と無理そうな体勢でも自立することが出来ます。その他にも立たせて飾る場合は足首を前に倒すことでS字立ちのように胸を張った立たせ方も可能になります。

ドンオニタイジンは股関節のバランスだけで立たせようとすると中々苦戦するので何気に足首の可動を活かす事がポージングのコツだったりします。

剣をずらして張り合わせてロボタロ斬の時の巨大化ソードをそれとなく再現っぽくできます。


めでたしめでたし~

以上暴太郎戦隊ドンブラザーズからDXドンオニタイジンでした。

正に問答無用の傑作玩具、ちょっとシビア過ぎる見方をしている箇所もありますがそれらの点はどれも些細なもので、組みあがったドンオニタイジンの迫力に有無を言わさず満足させられてしまいます。

ここまでのクオリティを誇って尚、のちに合体も控えているという大盤振る舞いで買えるなら買わない手はないと言っていいでしょう。子供向けのホビーも年々苦境が強まりスーパー戦隊もその例に漏れないと聞くので応援の意味も込めて、個人的には是非色んな方々に買ってほしいと思っています。やはりロボット玩具と言うのは大人だけに向けた物ですとどうしても高級路線に傾倒しがちで結果として遊びやすさなどのユーザビリティが犠牲になってしまいます。子供も遊べるというのは大人も当然遊べる物に仕上がっていますので、いままで玩具は興味なかったけど・・・と言う方は是非ドンオニタイジンでストレスフリーな合体の良さを味わってもらいたいです。事前に合体の匂わせをするぐらい、「大人も買え!」という圧が凄いドンオニタイジン。今現在ネットで買うには少々難しい状況ではありますが、意外にも店頭では見かける事があったり今後再販などで落ち着いたりとどこかしらで手に取る機会に巡り合えると思うので定価9350円と高額な部類ではありますが是非に手に取っていただきたい逸品。

そんな感じで簡潔なまとめとなりましたが、また次の記事にてお会いできればと思っております。

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