スタートWINスーパーデッキ深淵の邪襲

雑記

部屋の片付けが手に付きません、みなさんこんにちは。

前回開き直ってデュエル・マスターズについてペラペラ話し気持ち良くなっておりましたが、あれから程なくして登場した新カードを伴う商品がこれまた玩具的に素晴らしかったため、此度今一度気持ち良くなりにきた次第です。

今回ご紹介したいのは魅力の分かりやすい商品群である構築済みデッキから2023年5月20日発売

「スタートWINスーパーデッキ深淵の邪襲アビスベルラッシュ」です。

へぇーんスーパーね

スーパー?

スーパーデッキって昔あったよね。

えっうわっあのスーパーデッキだ!!懐ッ!!!!

無駄にデカいしカード全部光ってるスーパーデッキだ!!

そうです、スタートWINというウィン編の共通冠詞こそありますが全ホイル豪華再録のあのスーパーデッキなのです。あとやっぱり無駄にデカい。

年度も変わり新主人公「斬札ウィン編」も新章スクールウォーズ編へと突入。それを皮切りに新ギミックの数々が登場し、中でも注目度の高い「メクレイド戦術」に焦点の当たった豪華入門アイテムというのがこの商品の位置づけ。

そして新章のエントリーアイテムながら往年のファンも思わず目を惹かれてしまう、誰が予測したかあのスーパーデッキのフォーマットを持ち出すというサプライズっぷり。

ぼくたちの情緒を掻き回す懐かしのスーパーデッキは実際のところ数年ぶりに出したとの事で、名前とパッケージが法則に当てはまる当該商品は実に2014年を最後に止まっていたようです。二つ前の主人公、勝太くんの頃ですね。(ジョーくんの時期に扱われていたのはレジェンドスーパーデッキという名称で価格もテーマも完全に大人に向けた全く異なるコンセプトの商品でした。)

そんなわけで自分が最後にスーパーデッキを手にした時から13年、デュエマは脈々と進化してきたし、当然物価も税金ももはや青天井な現代となってはその頃からさぞ値段も上がったのだろう…と戦々恐々。しかしなんとビックリ。

値段ほとんど変わってないんですよね。

スーパーデッキ第2弾までは2090円、そこからしばらくは2420円のまま勝太編に突入し、以降2750円3025円と上がり一旦スーパーデッキとしてのブランドが休眠します。

そして今回のスーパースタートWINデッキ、なんと2750円。

おぉ〜よく抑えたな。自分のイメージは2400円程度でしたが、上記のように正確な値段を確認してみるとなんならちょっと下がってるまであります。

正直普通に凄い。実際に商品を触ると、それらを実現させるべく生じたであろうコストカット箇所がいくつかわかってしまうのですが、それでも「あの頃のスーパーデッキ」を演出する計らいと企業努力に素直に感動させられたというのが素直な気持ち。

ありがとうタカラトミー。

パッケージもある意味今回のウリなので長くなりましたがいよいよ中身に移りましょう。

いざ開封。

カードにはスリーブを付けていますが商品には付属しません。

開封は中央部のボックスをベリっと開いて行います。うおっおもてたんとちゃう。

うむ、カードも説明書も全部ここに入っておる。即ち周囲の台紙は完全ダミーなんですな。おまけにブリスターを使わないオールプラレス仕様。ここがまず第一のコストカット箇所なのでしょうね。カードがあちこちにレイアウトされてたパッケージは迫力があったけど、ブリスター内部の高低差作ったりするのもお金かかってただろうしね。寂しいけどしゃーない。

中身を取り出すとルールブック兼デッキの指南書が付いています。今も変わらないコロコロのノリでデッキの動かし方が書いてあるぞ。

キミもまるわかりガイドを読破してライバルに差をつけよう!!

トライグルのジャンプアタックのように決まるかどうか怪しいけど勢いで押し切ってる公式の煽り文句大好きです。

対戦ホビーはユーザー側の開拓が盛んで開発側の想定から逸れる事も珍しくないので、だからこそ開発側が意図した動作をするのかどうかが商品の注目ポイントとして興味深かったりするんですよね。勿論想定された通りに動けば出来が良いねで済みますし、仮に動かなくてもそれはそれで愛おしかったり。

豪華フルホイルの中身

両端の2枚は今回初めてホイル化。必須級の低コストカードだったため嬉しい仕様です。

続いて本体であるデッキ。今回もスーパーデッキの例に漏れずフルホイル仕様ではあるのですが、あのド派手な銀枠仕様ではなくあくまで通常のスーパーレアやベリーレアと同じようなホイル加工となっています。ここもおそらく値段を抑える事を可能にした工夫点なんじゃないかと個人的に思っています。

(厳密には同じではなく、どちらかといえばプロモカードのような無地のホイル加工といえば伝わりが良い気がします。)

しかしながら本家の銀枠が放つ「レアカードスーパーデッキで手に入れました!」感満載なあの存在感は人によっては気になる部分であったので、従来のデッキに混ぜても統一感を崩さないという点では一概にコストカットだけを目的にした仕様決定ではないのかもしれません。

CV羽多野渉で脳内再生しましょう。

また、更なる今回の独自仕様として例によってフレーバーテキストが特殊なものになっております。

近年のデッキ商品でプレイングのハウツーが記された仕様は珍しくなくなってきた印象でしたが、今回は主人公の切り札兼相棒兼マスコットで活躍するアビスベル=ジャシン帝こと邪神くんのセリフ調のテキストとなっているのがユニークですね。

こういった細かい箇所で楽しませてもらえるのが健全に子供向け商品してていいですよね。

タコさんウインナーが大好きだぞ!!

ここで邪神くんやアビスについての軽い解説をば。

ゲームでは新種族アビスロイヤルの戦略における文字通り「中核となる存在」で、何をするにもまずアビスベル=ジャシン帝がバトルゾーンにいなくては始まらない。所謂「アビスデッキ」と呼ばれるものは往々にしてジャシン帝を中心にして戦っていくテーマになっています。

まだまだ登場して新しいテーマの為今後の研究や強化で細分化する可能性は大いにありますが、現状のアビスをざっくり言い表すと「墓地肥やしによる第二の手札化で幅広い選択肢を取れるビートダウンデッキ」となっており、この墓地を第二の手札化してしまうというインチキムーブを実現可能にしているのが何を隠そうジャシン帝であるわけです。

速攻からコントロール気味な動きまでこなせてシールドトリガーによる守りも硬く、またこれまでの主人公との差別化も兼ねて独特かつ前代未聞の能力を持ったカードが積極的に追加されるため、アビスデッキはぶっちゃけ普通に強いです。

アニメや漫画においてもジャシン帝はアビスロイヤルの王として君臨しており、アビス軍団を統べる圧倒的リーダーという設定は上記のようにゲームにも反映されています。ジャシン帝はバカみたいに強いけれど、ジャシン帝だけでは勝てないようにデザインされているのが非常に上手いですよね。

作劇の演出とゲーム上の強みが見事に嚙み合っており、こういった点はデュエマ20年超の積み重ねを感じられます。(得意デッキは速攻!!といいつつ切り札がボルシャックドラゴンだったのはやっぱり大いにツッコまれていた。)

CV羽多野渉で脳内再生しまs

ここで邪神くんが話すようにこのカードで相手の攻撃を止めながら逆転できるケースは多いです。写真のカードはハンマ=ダンマというクリーチャーで、読んで頂ければ効果はおわかり頂けると思いますが「敵を破壊しながらジャシン帝で呼び出すカードを引き込める」という大変ドラマチックな性能をしております。

実際にアニメでも出番が多いので正に主人公斬札ウィンと邪神くんのコンビのようにトリッキー且つスマートなデュエマを演じる事ができてしまいますね。

カードの効果に触れたので流れでゲームに踏み込んだ話を。

デュエルマスターズから遠ざかっている方はふんわりと捉えていただければ幸いなのですが、やはりスーパーデッキなだけあって収録カードが非常に豪華。全体のカードリストは下記のリンクから確認していただくとしてその中でも特に必須度が高く、シングル購入も4枚分になると二の足を踏む価格になってくるのが上の写真の4種でしょうか。

左から順に「主人公テーマに無理なく混ざる妨害初動カード」「闇文明が入るデッキの殆どに投入される強力呪文」残る右側の2種が「強い事しか書いていない主人公テーマのパワーカード」といった具合です。どのカードもレアリティ設定に対して相場価格が高く左端と右側2種のカードは主人公テーマのアビスデッキを作るうえで大きなハードルとなっておりました。ブルーム=プルーフなんかは特に買えなくはないけどそこまでの値段を払うのは微妙に憚られる、といういやなラインで自分は今まで未所持でした。

DM23-SP1 デュエル・マスターズTCG スタートWIN・スーパーデッキ 深淵の邪襲 | デュエル・マスターズ

しかしながらこの2枚は実のところ現在は価格が落ち着いており、必ずしも本商品で買わなくてはならないというワケではなかったりします。

ただ、そういった相場の変動が起こったのはやはり「本商品での再録が決定したから」に他なりませんので収録された意義は大きいですね。実際に再録前の値段はどちらも1枚1400円前後という、主人公の切り札としてはマーケティング上結構な悪影響が出そうな値段で取引されておりました。当然アニメでの出番も多く、低年齢層からの認知度も高いと思われるので今回の再録はこれまで手の出なかったユーザーからするとありがたい事この上ない判断といえます。

一方で、再録としては結構な間隔の短さであるので思い切って再録前の値段で買ってしまったユーザーには少々痛手であったかもしれません。まあこの辺は難しいですね。

ぶっちゃけアビスベルラッシュは強いか。

以上のようにこれまで登場したアビス達を再録しつつ新章で新たに脚光を浴びる「メクレイド」というギミックを軸にしたのがこのデッキですが、ここからは実際の使用感についてお話ししたいと思います。

もう包み隠さず話してしまうと、この商品単体での強さは正直イマイチ。

内容は豪華だし商品としての完成度は充分に高いのですが、デッキとしての完成度は素人目にも問題点がわかりやすいという感じです。公式サイトへのリンクからカードリストを確認していただければ一目瞭然なのですが、当商品は4枚フル投入されているカードがやや少なく、先ほど熱弁したようにデッキのエンジンになる切り札ジャシン帝へのアクセスがしづらいです。

結果的にカードの種類が多く、引いたカードの組み合わせごとに動きを変える必要があってスタートデッキながら初心者にはハードルの高い動きを要求されている感じ。また、カードの種類の多さに反して種類ごとの枚数が少ないのがデッキの再現性を落としており、その点が新ギミック「メクレイド」のうまみを下げているように感じます。

例えば本商品では「アビスメクレイド5」という条件があり、その場合「アビス種族」の「マナコスト5以下」のカードが使えるという意味合いになります。

一旦メクレイドについてご説明すると、発動する事でデッキの上から3枚を見てその中から指定の条件に合ったカードをタダで使うことが出来るという強力な物になっており、使い方次第では鬼のような展開力を発揮する能力となっております。

正しい挙動については公式サイトや専門のwikiを参照していただきたいのですが、要は「多少運が絡むものの手札に来ていないカードを場面に合わせて選び、ある程度ユーティリティな運用が可能になる」という物なのです。大当たりのクリーチャーを踏み倒すというより、中当たりのカードをエナジーライトで引いて出す動きをワンアクションにまとめた感じと考えると使いやすい気がします。

山札の上から3枚を捲るメクレイドの性質上、デッキ内のカードが散っている本商品の構築では上振れ下振れが余計に大きくなってしまいます。総括すると本商品単体では強い動きを繰り返しにくく強い動きに到達しづらいという所謂出力不足なデッキというのが素直な所で、販促の都合上新規カードの枚数を絞らなくてはいけないスタートデッキと「メクレイド」という能力の性質が噛み合わなかったというジレンマを抱えてしまっている印象。

個人的には一つ前に発売されたライバルのスタートデッキ、竜軍オブボルシャックも同様の問題を抱えているように感じます。こと単体の出来に関していえば、主人公交代と同時に発売されたスタートデッキである邪神フロムアビスの方がまとまりが良いデッキであったと言えます。

一億歩譲ってもこの2種が4枚投入になるだけでも見違えると思います。

じゃあこのデッキを強く使うにはどうしたらいいのか、というとそこはやはりカードゲーム共通の含蓄「デッキを2個買って合体させよう」となるわけです。

身も蓋もないようですが、本商品が目指す方向性を活かす方向であればやはりデッキ内の枚数を増やすというのがなんだかんだ一番理にかなっているとは思います。そうでなくてもこの商品の発売で値段が落ち着いたカードは多く、このデッキのカードを増やす行為はは非常に容易なので好みに合わせてシングルで買うのもいいでしょう。

メクレイドでメクレイドに連鎖する動きも可能なので、こと本商品に関してはデッキ内の密度を上げる構築は有効といえますし、現状のメクレイドは種族による指定が縛りとしてあるため純正アビスとして組む方が強みを伸ばせるように思います。


以上「スタートWINスーパーデッキ深淵の邪襲」でした。なんだか終盤にかけてテンションが下がっていく記事みたくなってしまった。

とはいえアビスベルラッシュがダメなのかといえば全然そんなことはなく、ここまでお話しした通り内容の充実度は目を見張るものがありますし、何よりアビスもメクレイドも登場したばかりの新しいデッキタイプで開発の余地を大きく残しています。確かにこのデッキ一個で完結してこそいませんが、極論大会常連の現役プレイヤーですらまだまだ未知のポテンシャルを抱えるデッキを弄り倒す楽しさは他のデッキ商品にはない魅力です。

アビス自体の強さは保証されつつ新ギミック「メクレイド」の模索が楽しい、正にデュエマやってる感にあふれたスーパーデッキというのがこの商品の良さなんだろうなと思います。

自分も今はまだこのデッキで対戦をしたりはしていないものの、あらかじめ採用候補として買っていたカードや2つ目の本商品を用意してあるのでこれから自分なりに使用感を模索する過程を楽しんでいきたいと思っています。

このままカード関連の記事も増えていくかもしれない。来月にね、デュエマ史上初のヒロインのスタートデッキが出るんですよね。楽しみすぎる。それでは、また。

コメント

タイトルとURLをコピーしました