皆さまお疲れさまです。
色々書きたいと思っている内にトランスフォーマーの大型商品が連続し撮影ブースが完全に埋まってしまいました、わたくしでございます。されどもカード系の記事であれば物理的な影響は受けません。(ストレージの山から目をそらしながら)
今回はタイトルにもあるようにちょうど新デッキの発売があり、前回デッキ商品を紹介した時点から合わせて6個のアイテムが登場。前回のデッキ紹介が当ブログ比でめちゃくちゃ閲覧数が伸びている事に大層気を良くしつつ、今回も同様のフォーマットでエンジョイ勢なりに魅力を語っていければと思います。(2Bのケツにダブルスコアの差で見てもらえてるのが驚き)
前置きは早々に畳み早速どうぞ。
キャラプレミアムデッキ Jack-Pot-Live in桜龍高校

2025年4月12日発売。価格は2750円税込。
今回は前回と異なり発売が古い順に紹介していこうと思います。
こちらはキャラプレミアムデッキの第3弾、『ドラゴン娘になりたくないっ!』に登場する5人組のガールズバンド「Jack-Pot」の面々をテーマにした商品。オタクコンテンツにおけるガールズバンドブームとでも言うのか、定期的に起こる波にデュエマもしっかり乗っかったという感じの一品。
しかしながらただ表面をなぞっただけでは当然なく、ドラ娘のyoutubeアニメにおいて大々的に第3のチームとしてストーリーを飾った上にバンドらしくオリジナル曲も引っ提げているという本気っぷり。
その本気度は本商品にもしっかり現れており、デュエマ史におけるドラゴン基盤の一つである「ジャックポットエントリー」を見事現代のデッキ商品に落とし込んでおります。カードゲームにおける「呪文」はしばしば歌に例えてデザインされる事がありますが、ドラゴンを擬人化したガールズバンドのモチーフにドラゴン軸の呪文である『龍秘陣ジャックポットエントリー』をあてがうのがデュエマ的オシャレポイントですね。

使い方はとっても簡単。マナをためて「龍秘陣ジャックポットエントリー」を高らかに宣言するだけ!!動きの基礎自体は非常に単純ながら、「ジャックポットエントリー」での呼び出し先の選び方にやり込みポイントが凝縮されているので初心者から上級者まで触って楽しい一品です。
これ以前に発売された、ドラ娘の生徒会メンバーをモチーフにしたデッキであるキャラプレミアムデッキ第1弾は栄光メンゾ基盤や龍軸と呼ばれるランプデッキ(マナ溜めてデカいの出す系)であったのに対し、今回のデッキは呪文を扱う事の出来るドラゴン、「庵野水晶」を中心にサポートを固めたコンボデッキ的なアプローチとなっているのが設計思想の違いを感じて面白い部分です。

デッキ全体としては前回のドラ娘デッキと異なり、ドラゴン娘たちの選定自体が頑張って5色にする必要のないメンバーとなっているおかげで、うまいこと多色がダブつき過ぎずに4色でまとまっているのがエライと思います。また、「ジャックポットエントリー」系のデッキに求められる、コンボデッキでありながらグッドスタッフ性も色濃く出るような特性に則して目玉となる再録カードが非常に豪華である点も見逃せません。各1枚ずつの再録ではあるのですが、ドラゴン系の汎用パワーカードと括って差し支えないメンツが揃っており、このデッキの商品価値を値段以上にしてくれている理由の一つと言えるでしょう。
もちろん新規カードも強力な物が揃っており、アタックトリガーの使いまわしや革命チェンジで悪さが出来そうな「春咲栄久」、コストやパワー、カードタイプも問わずに確定除去+1ドローの「星増樹」、早速環境トップからお呼びがかかった強力シールドトリガー「ルード・ザーナ」、天門対応「庵野しゅうら」。そして本デッキを飛び越え『ラッカ庵野』として新たなデッキタイプに派生するパワーを持った「庵野水晶」といった具合に実に粒ぞろい。
難点としては「龍秘陣ジャックポットエントリー」を主に6コスト帯のカードを手打ちするのが現代デュエマの速度感に対しワンテンポ遅いという部分でしょうか。フリープレイ向きのよくできたデッキではあるのですが、ガチ環境向けの強度は少々落ちるといった具合なので個人的おススメとしてはこの商品から基盤カードをピックアップして前述の「『ラッカ庵野』verドラゴン娘仕様」にパワーアップさせるのが満足度の高い改造方針になるのかと思われます。
近年デュエマでは「キャラプレミアムトレジャー」と呼ばれる新規イラストでの再録用レアリティを拡張パックに設けており、ドラゴン娘のキャラクター達もそういった形で既存カードの絵違い版として徐々に増えているので、いくつかのデッキは採用カードのイラストを8割ドラゴン娘で満たすことが出来るようになり始めています。
いきなりつよいデッキ 技の王道

2025年4月12日発売。価格は550円税込。
お次はセルフ市場破壊シリーズこと「いきなりつよいデッキ」から「技の王道」をご紹介。前回は「攻めの王道」「守りの王道」が発売されましたが、今回は「技の王道」「力の王道」と、どっかの1号2号を連想する組み合わせとなっております。実売価格550円で環境デッキをほぼ再現という驚異の商品スタイルは今回も健在であり、この記事内で紹介するデッキ同士で戦わせた場合は最も戦績が安定する強さを持っているのではないかと思われます。
そんな「技の王道」のデッキテーマは『黒単アビスロイヤル』。
「技」で想像するデッキはかなり幅が広くパッとイメージは付きづらいですが、『黒単アビスロイヤル』は現在のデュエマにおける主人公「斬札ウィン」くんが使うテーマのうちの1つ。ウィンくんはこれまでのドラゴン!熱血!ヒーロー!な主人公たちとはテイストを一風変えており、応用の効く「闇文明」を使う主人公である他、スペシャルゲストと称した「オシャレ枠」のカードによるコンバットプレイを披露するなど正に「技」の主人公であるといえます。
そんな流れもあり今のデュエマにおける「技の王道」を飾るのが「闇単アビスロイヤル」になるというのも自然な流れ。実際に無改造でもいろんなタイプのデッキを見れる対応力を持っているので「技」の名前は伊達ではありません。

一口に黒単アビスと言っても結構長期にわたって変遷を経ているのですが、おそらく公式が想定する黒単アビスは発売当時の時点でメジャーであった「漆黒の深淵ジャシン帝」と「忍蛇の聖沌c0br4」による文明や種族を問わないリアニメイトを絡めた中速ビートダウン型をイメージしていると思われます。事実「黒単アビス」の最も面白い部分は「漆黒ジャシン」と「c0br4」のリアニメイトに集約されていると言っても過言ではなく、元々主人公テーマ故に豊富だった採用候補カードが種族文明不問になった事で膨大なカスタマイズ性を獲得した点は間違いなく同時期の種族デッキから一歩抜きんでた魅力を放っております。
なにより「カスタマイズ性の高さ」が魅力として打ち出たデッキを低価格路線の商品に抜擢するという展開自体が美しい。デュエマ公式としても「漆黒ジャシン」によって使い手の色を表現しやすい現在の黒単アビスは「これぞ技の王道」と胸を張って提供できる物だと考えているのではないでしょうか。
実際に「漆黒ジャシン」が黒単アビスの中心になって以降はロックをかけてワンショットする型やループ型・ハンデス型等に派生しており、環境の最前線から一歩引いた現在ではガチ環境向け構築の中でも使い手毎に個人差のあるカスタマイズになる場合が多いです。

ガチ環境向けの出力を持つ高額汎用カード達は流石に価格相場を落とし過ぎるためか未収録。そのおかげでデッキリストで見た際は結構別物に感じますが、それらはあくまで「漆黒ジャシン」や「c0br4」の出力を拡張する役割のカードであるためメインの動きは充分担保出来ている、という考え方なのかもしれません。そのため個人的な感覚としては「黒単アビス」らしさ自体はそれなりに出せているのかなと思います。
先に述べた通り黒単アビスの強さは「漆黒ジャシン」から文明や種族を問わないカードを飛ばす対応力とアビス基盤の堅実さがキモであり、それを550円ですぐに動かせるというのはやはり破格であると言えます。そもそも「漆黒の深淵ジャシン帝」だって再録されたら普通に超絶うれしい高額カードでしたからね。自分も「漆黒ジャシン」買う踏ん切りが付かなくてアビスから離れてましたし。
いきなりつよいデッキ 力の王道

2025年4月12日発売。価格は550円税込。
技に対するは「力」。力も言葉の意味として幅広いので、情報公開までどんなデッキが発売されるのか自分には予想が付きませんでした。自分はパワーと言えば自然でジャイアントやグランセクト系統をイメージしておりました。
公式が出した答えは『赤緑アポロヌスドラゲリオン』。なんと。
「赤緑アポロ」は「速さ」のイメージが一番強かったりするので、力やパワーを何かと自然文明に任せてきたデュエマにはちょっと裏をかかれた気分になりましたが、確かに前のめりにシールドを叩き割る事の一点に全てをかけたこのデッキは力ずくのデッキとして「力の王道」の名を授かるに値すると言えるのかもしれません。
私個人としても復帰して最初に作った環境デッキのひとつが正に「赤緑アポロ」であったため思い入れがそこそこ強く、こうして初心者向けの商品として「いきなりつよいデッキ」に抜擢されたのは納得の選出であるとどことなく後方腕組み彼氏ヅラ不可避な次第であります。(「速さ」の王道な気はしてしまうけど。)

「赤緑アポロ」の動かし方は実に単純明快で進化元と進化クリーチャー複数を揃えて3ターン目に突っ走る。それだけ。
細かなテクニックも一応は存在するのですが、デッキの性質上ジタバタするより運否天賦に全てを任せて伸るか反るかの大勝負を仕掛けるしかないという良くも悪くも大味なデッキになっています。トリガーケアなんて考えなくていい。だって意味ないから。いや嘘トリガーケアもあるにはある。
そういった具合にデッキの動かし方自体は簡潔な一方で、連続して効果が起動した場合の処理などデュエルマスターズの応用ルールについて触れる機会が自然と多くなるデッキでもあるので、そういった視点からも「ハデで強くて簡単で応用も学べる」というような、技の王道とはまた違ったベクトルに初心者向けとしておすすめなデッキになっていると思いますね。

デッキリストはこのようになっており、元々スタートデッキ産のカードを多く含むデッキなので極端に高額化しやすいカードも少なく再現度は相当に高く作られております。強いて言うならデッキから「アポロ」を直接持ってこれる「エヴォリューションエッグ」というカードの有無がデッキの動かしやすさに大きく影響していると言った所でしょうか。
切り札である「超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン」は速攻デッキの代表格として活躍した期間が結構長く、それに伴い近い性質の新たな速攻デッキを生まれづらくしていた事が影響してか近年ついに殿堂入りを迎える事となりました。そのため本商品においても「アポロ」の収録枚数は1枚のみとなっており、殿堂施行後はそれ以前から重要度の高かった「エヴォリューションエッグ」によるサーチの動きにより一層依存する形となっています。
先に言及した通りこのデッキは元々スタートデッキ産のカードや供給量が多かった「轟く侵略レッドゾーン」などの入手性に優れたカードでデッキの大半が埋まっている為、カードショップ側に配慮しつつ改造の余地を残そうとした場合は必然的に選択肢が限られてくる関係でやや消去法的にケチらざるを得ない、というのが開発サイドの事情なのかなとは想像できます。
とはいっても「エヴォリューションエッグ」自体は発売が決まった時点でもそれほど高額なカードという訳ではなかったので、探す手間を考えたら1・2枚ぐらい入れてあげても良かったんじゃ・・・・とは思ってしまいますね。結局デッキリストが公開され「エヴォリューションエッグ」の再録がないとわかるや否や各ショップによるシングル販売価格は吊り上げられてしまっていましたし・・・・・。(再録経験がないカードではないのでなおさら割高感が拭えないという。)
ドリーム英雄譚デッキ ボルシャックの書

2025年8月9日発売。価格は4950円税込。
次は通常弾から排出されるドリームクリーチャーとの連動を謳った高価格帯シリーズ、ドリームサーガデッキから「ボルシャックの書」です。
以前までのドリームサーガデッキにはデッキ本体の他にすぐに使えるスリーブが同梱されておりましたが、物価高の影響か涙の廃止・・・・・。代わりに今回からは「シークレットサーガパック」なるカード1枚入りのプロモパックがセットになりました。ラインナップは各デッキの新規カード+対応するドリームクリーチャー達の新規イラストカード。本来パックから低い排出率を乗り越えて引き当てるか、高額なシングル購入で入手するしかなかったドリームクリーチャーを入手できる機会が新たに設けられているというのは素晴らしい施策であると思います。当たればの話ですけどね。
元より「この商品には入ってないし箱確定でもないレアカードと組み合わせる5000円のデッキだよ。」と初心者に胸張って勧めづらい売り方をしていたドリームサーガデッキに勧めづらい理由が余計に一つ増えてしまった感はありますが、デッキの質そのものは前評判に反してちゃんと高いと感じましたのでそこはご安心いただきたいと思います。
新規カードが強いだけ、という事はなく意外にもデッキの構築自体が対応力と爆発力をいい塩梅で両立してくれており、フリー対戦で盛り上がる展開を実現可能なだけのポテンシャルはしっかり見せてくれました。

本商品はマナブーストからの「竜皇神ボルシャック・バクテラス」と「ボルシャック英雄譚」による怒涛の踏み倒しで相手を圧倒する超火力型デッキ。ガチデッキにする際はこのどちらかに寄せて特化するのがセオリーとはなりますが、個人的には無改造の本商品のように両刀型でとにかく気持ちよくなるのも一興だと思っています。
これまでの「ボルシャック英雄譚」はあくまでバクテラスを引けない際の手打ちサブプランというのが精々でしたが、今回刷られた新規カードによって「バクテラス登場時効果→ウルフェウス・ロマネスク着地→ロマネスクで英雄譚をマナから回収→ウルフェウスで英雄譚発動」といったようなルートも生まれたため、「バクテラス」からの連鎖が少しだけ狙いやすくなりました。実は「バクテラス」の効果によってバクテラスを追加で呼び出すことは出来ない為、あらかじめ手札に複数枚構えておく必要があったりする関係で「バクテラス」単独の構築では見切り発車による大連鎖は結構起こしづらかったりするのですよね。
「バクテラス」と「英雄譚」の展開が相互に絡めばもはや宇宙。後先考えずにライブラリーアウトいたしましょう。ちなみに大量マナブーストと山札めくりをとにかく沢山行えるので本当にライブラリーアウトは身近な敗因として念頭に置かなくてはならないので気を付けておきましょう。

「ボルシャックドラゴン」のデッキはこれまで「モモキングRX」「ボルシャックモモキングNEX」に少々乗っ取られているきらいがありましたが、度重なる強化を経て「竜皇神ボルシャック・バクテラス」を中心とした純正に近いデッキへと収束していきました。今回の「ボルシャックの書」はそれをさらに後押しする内容となっており、デッキの再現性を「魂の呼び声」や「超竜ヴァルキリアス」によって補っていた箇所が本商品によっておおむねオールボルシャック化できるといった具合になっております。
一方で、デッキリストからもわかる通り収録されているカードの枚数はかなり取っ散らかり気味。パッと見の印象から発売前は結構賛否両論が激しく、必要以上にマイナスイメージが付いてしまったのも無理からぬことではあるというのが正直な所。しかし実際に無改造で回してみると、意外にも散らばったカードにさわる事はそこまで難しくなく、マナからの踏み倒しや回収をするカードのおかげでマナを加速するメインの動きから目当てのカードに自然とリーチしやすいような構造になっています。
また、「ボルシャックドリーム→バクテラス」に拘らずとも、鬼のマナブーストから「バクテラス」を直接引っ張り出したり純粋にバクテラスのチェンジ候補が増えているなどの理由から「ボルシャック・ドリーム・ドラゴン」への依存度は結構低めになっているというのが驚いた部分。(名前がややこしいですが)別売りドリームレアである「王闘竜皇ボルシャック・ドラゴン」への依存度も低く、本商品の得意分野であるマナからの踏み倒しを強化しつつも選択枠に収まっているのが丁度いい印象です。
なにより多様なボルシャックがズラッと並ぶ光景もセオリー通りのガチ構築では実はあんまり見かけないのかな、とも思うので自前で「リースバクテラス」を組んでいた目線では、「ボルシャックドリームドラゴン」にとらわれない、「ボルシャックの書」の新規カードを中心にしたデッキを組んでみるのも悪くないと思えました。この項の冒頭でドリームサーガデッキ自体への難点も少々述べましたが、蓋を開けてみれば歴代随一の完成度を誇る連ドラデッキとして仕上がっており、再録や新規カードの収録枚数に関する問題点こそ残ってはいるものの初心者が動かして楽しいド派手なドラゴンデッキとして是非おすすめしたい内容といえます。
ドリーム英雄譚デッキ アルカディアスの書

2025年8月9日発売。価格は4950円税込。
アルカディアス、アルファディオスと2度のドリームクリーチャー化を経た聖霊王に遂に専用のデッキ商品「アルカディアスの書」が発売。こちらは「ボルシャックの書」とは対照的に前評判が非常に高く、「ヘブンズゲート」系統のデッキに対して苦手意識のある自分としても「また超強化されちゃうよ・・・😭」と戦々恐々でした。しかしながら実際にはこちらも結構意外な結果になりました。
「アルカディアスの書」は先に言ってしまうと、収録されているカードのひとつひとつは強力ですが基盤を活かしてデッキとして使うにはパック産カードの「王導聖霊アルファディオス」に大きく依存しており、初めから改造目的での購入を推奨する商品となります。とはいえ幸いなことに「王導アルファディオス」を未所持でも、「いきなりつよいデッキ守りの王道」と本商品を合体させるだけで強力なヘブンズゲートデッキがすぐに作れてしまいますので、在庫が潤沢なうちに本商品の確保自体は強くおすすめしておきたいです。
事あるごとに関連カードの高騰しやすいエンジェルコマンドの主要パーツが一気に手に入る商品なので間違いなくおすすめ出来るのですが、再録の手厚さを優先した弊害からかデッキとしては「ヘブンズゲート基盤」「エンジェルコマンド基盤」のどちらにも振り切れない構築になっているため、少々懐かしい遊び心地のデッキになっているのが興味深い所です。

本デッキを無改造で戦わせる場合は一般的なヘブンズゲートデッキが得意な中盤の大量展開は一旦諦め、手札やマナをひたすら増やしてシールドトリガーでのカウンターを狙うトリガービート戦術がベターな立ち回りとなってくるかもしれません。
大当たり枠のヘブンズゲートこそ枚数を押さえられてはいますが、幸いシールドトリガー自体は手厚くジャストキルを狙った最小限のワンショットや、ロックを掛けない過剰打点によるワンショットは意外と高確率で止めることが出来る上に、新規カードである「真聖霊王ネオ・アルカディアス」によるシールド回復効果でトリガーガチャの仕切り直しを狙えるのもそういった動きを主軸にする合理性を後押ししている感があります。ノリノリでパーフェクトデュエルを再現とか言っといて難ですが。
中盤に押し付ける強い動きが「ペルフェクト」で相手の動きを遅らせるか、新規カードの「∞シリウス」によって突然のリーサルを突きつけるか、ぐらいしかないので2025年のデッキにあるまじきゲームテンポの遅さが目につきますが、冒頭でも述べたように最終的には改造することになるとは思うので個人的な感想としては「これはこれでデュエマクラシック的な遊び心地で愛着が湧く」というのが最終的な着地点といった具合です。
まるでテクニカル悪口のような表現となってしまっておりますが決して悪感情からこういう物言いになっているのではなく、本商品は公式の開発秘話でも語られているように最初のスーパーデッキである「スーパーデッキゼロ バイオレンス・エンジェル」をセルフオマージュしたカードで構成されており、本記事を執筆時点でアラサーの管理人としてはなかなか懐かしさを感じられるデッキなのです。

デッキリストを見て頂くと強力な再録カードも目立ちますが、それ以外の新規カード達も人によっては見覚えのあるメンツで固められているのではないかと思います。
リメイクカードを豊富に取り入れるというアプローチ自体は「ボルシャックの書」でも共通なのですが、昔のデュエルマスターズには名称カテゴリーによるデッキ構築は概念レベルで存在していなかったためあちらは結構別物感が強いです。それに対してヘブンズゲートで踏み倒せるブロッカーを中心にしたエンジェルコマンドデッキは意外と当時から地続きに存在しており、本商品は公式に言及があるように「白凰のデッキらしさ」を保ったまま近代化改修に成功していると言えます。当時は採用しづらかった元祖「聖霊王アルファディオス」もマナ加速で実戦向け選択肢になってるのも嬉しさがありますね。
こういったビジュアル面での「らしさ」が性能面における不満点を奇跡的に説得力へと裏返らせており、あの頃憧れた「白凰になりきるデュエル」で改めて遊べる事が意外な満足感を与えてくれます。身も蓋もないですが再録カードが非常にお得感あるものを押さえてあるのが「この時点で元は取れてる」と余裕を持たせてくれている部分も大きいのかもしれませんが。
デッキとしての使いづらさこそあるものの、ガチガチの最新デッキとはまた違う感触が楽しめて何度か回してるうちに愛着も湧いてくると思いますので、ひとしきり遊んだ後は「いきなりつよいデッキ守りの王道」と合体させたりするのをおすすめしつつこのようなアプローチもたまにはアリなのかなと思いました。「真聖霊王ネオ・アルカディアス」のシールド最大5枚追加も「ミルザム」のウルトラシールドプラスじみてて派手で面白いですしね。
キャラプレミアムデッキ はじけろスポーツ!青春アオハル☆ワールドカップ!!

2025年9月13日発売。価格は2750円税込。
今回紹介するデッキはこれが最後になります。キャラプレミアムデッキで始まり、キャラプレミアムデッキに終わる。ある意味美しいかと。
こちらは「JackPot」同様にwebアニメ「ドラゴン娘になりたくないっ!」に登場する2番目のグループ、部活動を共通点に繋がる「アオハル組」たちをテーマとした商品。「JackPot」とは商品化する順番が前後いたしましたが、この度無事商品化となり「アオハル組」推しの方々も一安心といった所ではないでしょうか。デッキとしてはこれまでのドラ娘デッキ同様デュエマにおけるドラゴン基盤のデッキを網羅する形で「龍世界デッキ」をメインテーマにあてがわれており、同じドラゴンデッキでありながら三者三様の魅力を確立する事に成功しています。
発売前の印象に比べ自分個人の感触としては思いのほか良く、再録需要の差はあれど過去のドラゴン娘関連のデッキと比較しても構築済みデッキとして決して見劣りするような内容ではないんじゃないかと考えております。事前の予想通り従来の「龍世界デッキ」に比べて上振れ時の最大出力は控えめなものの、新規カードによる安定重視のサブプランでは結構凶悪な押し付け性能があり、運否天賦に頼るだけではない技術介入の余地もある面白い仕上がりになっていると感じました。

初めに少し触れた通り「アオハル組」のデッキは「龍世界~龍の降臨する地~」によるランダムな踏み倒しを行う、所謂「龍世界」と呼ばれるガチャデッキになります。「ガチャ」と呼称したように不確定要素から最大出力を狙っていくデッキとなっている為、従来の「龍世界ガチャ」ではデッキ内に超大型ドラゴンをとにかく大量に採用するのが王道の構築。基本的には競技シーンで勝ち抜くためのデッキというよりはファンイベントや友人とのフリー対戦向けのパーティ感の強いデッキであるためサブプランに個性を出すのか、徹頭徹尾ガチャに振り切るのかは使い手の遊び心に委ねられます。
そんな中、本商品が目指した味付けは恐らく「ドラゴン娘から来たデュエマ初心者が触って形になるデッキ」という方向であり、従来の「龍世界」とは設計思想を別にした、ピーキーさを押さえてデュエマの基本的な動きも取れるような「上振れも狙いつつサブプランを太めに取った龍世界」という方向を目指したのではないかと考えられます。さらに極端に言うと「普通のデュエマもできるガチャデッキ」という感じでしょうか。
実際の所「龍世界」の上振れと見なされない中量級ドラゴンが捲れた場合でも、このデッキの5,6マナ域のカードは相応のリソースを稼げるカードが多く、特に新規カードの「宿禰マロン」や、ハズレ枠と非難されがちな「ガイアッシュの海地図」はブーストや軽減によって、「帝王坂∞」の手撃ちに届く範囲へジャンプアップさせてくれます。中盤に5枚ハンデス+次ターン以降耐性貫通の実質確定除去を内蔵した「帝王坂∞」が飛んでくるのはゲームの流れを大きく傾ける脅威であり、無改造同士で戦う場合はその点が頭一つ抜けた評価点になってくるのではないかと思います。

結構あっさり目な印象のデッキリスト。「龍世界」は使うプレイヤーの色が出やすいデッキであり、思い思いの大型ドラゴンを詰め込むことが出来るのが魅力。そのため再録の都合や、ホイル加工されていない新規カードが多数を占めている点など「見映えとしての龍世界らしさ」は幾分か低く、「理性」を感じる内容になってしまっているのが本商品の評価を賛否分かれさせてしまっている点だと思います。
とはいえ個人的には前述したように本商品のターゲットは「ドラゴン娘からの初心者」という印象が強く、既にカード資産が充分な既存プレイヤーの考える「龍世界デッキの理想像」とは異なって当然なのではないかと考えています。確かに再録に関しては「jack-pot-Live」と比較してもう一声頑張って欲しかった・・・!という感はぬぐえません。
ただ構築済みデッキとしては序盤中盤の動きが太めに取られており、しっかり動くように工夫はされているため、他の製品に比べ劣っているという事は決してないと感じました。むしろ過去製品ではドラゴン娘5人の中から2,3名は必ず汎用的なシールドトリガーを持たせられる中、全員がキーカードに沿ったサポート効果や能力を持っているというのは真正面からデッキコンセプトに向き合った結果が出ているように思えます。
例えば上で説明した以外にも「伍代ドーラ」は残念ながら改造向けの出張性能こそ低めですが、このデッキにおいては色基盤、ガードストライク要員、自己軽減による即時打点やスレイヤーによる盤面除去、加えて公式の紹介動画でも見せた「蒼斬しのぶ」によって山札に仕込みガチンコジャッジを確定させるコンボなど、意外なことに本商品における役割は結構幅広く立役者的ポジションを担っている事がわかります。
一概にどうするのがベストなのか結論付けるのは難しいですが、少なくとも遊んで楽しいデッキではあると締めくくりたいですね。相性差もありますが無改造同士でなら「アルカディアスの書」を結構一方的にボコボコに出来ますのでもしあなたの知り合いが過剰にネガキャンしていた場合はそちらのマッチアップを組んでわからせてあげてみましょう。

以上、全6種なるべく公平に分析してみましたがどうでしょうか。例によって今回の記事をきっかけに購入してみよう、デュエマやってみようという方が一人でも現れてくだされば光栄です。
デュエルマスターズは競技志向が強く、シングルカードの相場が大きく変化しやすい傾向にあります。再録も他のゲームに比べるとあまり積極的でなく、主に特殊弾のパックやデッキの方で再録を充実させて相場を調整するケースが多いです。
定期的にシングル価格相場が急騰しゲームとして勧めづらい時期もあったりしますがというか割と今がそう、ご家族や友人たちとゆったり遊ぶ分にはルールもわかりやすく非常に盛り上がるゲームなので、付かず離れずの丁度良い距離感で遊ぶにはいいゲームですし、そうした場合にはやはりデッキ商品が参入ハードルを大きく下げてくれることと思います。自分も基本的に友人としか遊ばないエンジョイ勢なので通年でデュエマに付きっ切りな事はほぼないですが、浦島状態から最新のカードプールを確認する際にデッキ商品の存在は非常に助かっております。
今回の紹介デッキにも当てはまる事ですが近年のデュエマは「懐かしテーマを近代化」という方向性でデッキ商品を開発している感があり(TVアニメ休止に伴い新規ギミックのスタートデッキもここ2年休止している影響かとは思われます)先細りが若干心配になりつつも、自分のように半端に触れてるユーザーとしてはある意味出戻りがしやすい環境づくりが成されているのではないかと思われます。
そんな具合に初心者の方やデュエマをゆるっと遊んでいる方にとって今回の紹介記事が少しでもお役に立てれば幸いです。冒頭でも触れましたが前回の紹介記事は晒されているだけなのか本当に好評なのかは不明ですが、当ブログの中でダントツで多くの方々にご覧いただけており大変嬉しく思います。御覧になっていただいた皆様、本当にありがとうございました。
取り扱うコンテンツはデュエマに限らず極めて無軌道に続いていくこととなりますが、当ブログ「破壊ロケット弾」を今後ともよろしくお願いいたします。それではまた。
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