例によってお久しぶりです。
何となく需要のなさは肌で感じつつも、客層が違うからこそ紹介する意義があるのではないかとも思うので今回も問答無用でやっていきたいと思います。文章を綴る感覚を思い出しながら、玩具オタクへ向けてデュエルマスターズの最新スタートデッキをご紹介。
スタートデッキって確かにガチデッキ程強いわけではないし、環境で必須のカードが盛り込まれることもそんなにないので、「全オタク買えwww!」みたいな主語のデカイ言い回しで褒めたたえるようなモンでもないんですよね。
ただそれ故にメインストリームの盛り上がりとは別に、静かな場所でひっそりと愛でていたいそんな良さがあると言いますか。自由度の高いカードゲームであるがゆえに完成品としての良さがあるとも言いますか。
要はカードゲームのスタートデッキってここで普段紹介しているようなものと同じ「おもちゃ」なんですよね。大人向けの全塗装で合金製のハイエンドフィギュアとはまた違う、見えない良さに満ちている。
そんなわけで、革命アメイジンマジックはスタートデッキのクセに理不尽速攻デッキの雛型になるのでマジおすすめ!!って話をしていきたいのです。(主語デカくね?)
前回紹介したクノイチチェンジでも似たような事言ってたじゃん、と思われるかもしれませんがそこに関しては予め言い訳をさせていただきたく。前回のクノイチチェンジを一言で評するなら『完成度が高い』という表現になります。それは単純な強さだけの話ではなく、「動きの再現性」「採用カードの合理性」「粗の少なさ」といった主にデッキの手堅さを評価する形になるのかなと思います。
対して今回のアメイジンマジックは『最高出力が高い』と評する事が出来るようになっています。
この最高出力の高さがスタートデッキとしては結構理不尽。ガチデッキと比較しても「特定のパーツを入れ替えれば3ターンキルが出来るのでは?(出来る)」と思わせるクオリティで、あからさまな欠点は確かに存在するもののキルターンの驚異的な短さはスタートデッキのゲームスピードをはるかに逸脱していると言えます。
そんな具合で、前置きが非常に長くなってしまいましたが、パッケージから内容物、カード紹介にデッキ総評といった順でご覧いただければと思います。
パッケージ
種族の革命チェンジで、アメイジングをスタートなんだ!!
と、ハッタリの効いたデュエマらしいキャッチコピーが添えられた赤と青の外箱になっております。
その配色からも伝わるように本商品は火文明と水文明による2色デッキとなっており、デュエマの更なる新展開を大々的に表す装いです。表面には切札の芸魔龍王アメイジンと使い手である最上川イッサが配置されています。
凄く簡単に説明すると最上川イッサはアニメ、漫画における四天王の3人目のようなポジションのキャラでそのストレートにかっこいいデザインに反してこれまで目立った活躍はありませんでした。そんな彼もアビスレボリューション3弾からの展開では作中の重要なポジションに躍り出てきたため、メディア作品のファンとしても本商品は待望のアイテムであるかと思われます。
裏面には諸々の記載とこのデッキの中核の一つである芸魔悪狼ヘルギャモンの姿が。実はこのカードは他のスタートデッキ商品と違って「ノーマルカードなのに裏面に描かれている」という珍しいパターンを踏襲しておりまして、後述いたしますがその理由もこのデッキの商品としてのちょっとした面白さになっていたりします。
まるわかりガイド
スタートデッキ共通のフォーマットで書かれた説明書。毎度おなじみ大まかなルール説明とデッキの立ち回りについて語られています。
本デッキはマジックと名のついた種族を中心に組まれた所謂種族デッキとなっている為、スタートデッキらしく拡張性が高いのも良い所ですね。
特にいう事ないかな、となりがちな部分なんですが、この商品に限っては説明書に必ず付いている拡張パック宣伝ページのカードが「はいはい宣伝乙。」とはならず本当に頼りになるという点は推して伝えるべきかなと思います。
このデッキに収録されているカードを好みで増やし、宣伝ページのカードを雑に突っ込むだけで初見殺し性能が極めて高いデッキに仕上がるというのは見逃せない部分と言えるでしょう。実際にこのデッキを雛型にした赤青マジックというデッキが発足し、パック発売初日から各所の公認大会で結果を残していると言えば目の色も変わってくるのではないでしょうか。というか僕は変わりました。
逆に言えばそのせいで宣伝ページに書かれている3枚中2枚のカードはシングル販売の価格がどえらい事になってしまっているんですけどね・・・・・・。とはいえそれでもデッキの総額は安めである事には変わらず、とりあえず何か強いデッキが欲しいと思った初心者の方が組むにはおすすめしやすい部類だと言えます。
強力ギミック革命チェンジ
革命チェンジとは、キャッチコピーにもある通りこのデッキのメインギミックであり「場のクリーチャーの攻撃に反応して手札にある該当カードと入れ替え、攻撃を引き継ぎながら大型クリーチャーを繰り出せる能力」というような物になっています。
さくっと書くとデュエマ勝舞編世代の感覚では大変なぶっ壊れ能力のように思えます。厳密にぶっ壊れているのは主役級カード3、4枚に絞られてくるわけですが、まあ実際強いです。
この能力の初登場は今からおよそ7年前。デュエルマスターズVSレボリューションファイナル(VSRF)期に主人公勢力の新たなキーワード能力として登場しました。自分は当時は完全にデュエマに関心を持っておらず、友人らが遊んでいるらしいことを知っていた程度の感覚なのですが革命チェンジを携えたこれらのカードは大いに環境で猛威を振るったそうな。
特に主人公:切札勝太の使用する蒼き団長ドギラゴン剣(バスター)はその暴れっぷりから環境を支配するに至り、かのボルバルマスターズと並び称される「デュエルバスターズ」なる一時代を築いた英雄的(?)切札カードとなっております。
現在でこそ殿堂入りの1枚制限を設けられておりますが、相性のいい新規カードとの組み合わせもあり依然としてドラゴンが主軸になるデッキでは投入されており、7年前のカードでありながらドギラゴン剣そのものを懐かしいと感じる現役プレイヤーは殆どいないのではないでしょうか。
アビスレボリューション第3弾ではこの革命チェンジが帰ってくる!!と大いにプッシュされているわけですが、帰ってきたのはあくまで通常弾に限った話でありEXナンバーの特別拡張パックでは定期的に革命チェンジを持ったクリーチャーやそれと相性の良い新規カード、果ては革命チェンジをテーマにしたデッキの発売まで行われているのでVSRF期を体感していない自分としても割とお馴染みの能力だよなと感じてしまうぐらいにはデュエマを語る上では外せない能力になっていると言えるでしょう。
今回ご紹介する革命アメイジンマジックはそんな革命チェンジを現代に甦らせ、正に心のゆくまで楽しめてしまうというアイテムになっております。
とはいえ弱点もある
革命チェンジを持つカードでぶっ壊れているのは数枚程度、と前述しましたが決して逆張りしているわけではありません。
マナを使い切った後に攻撃のタイミングで大型・中型クリーチャーにつなげられる為、ターン中の密度が非常に高まる上に「場と手札のクリーチャーを入れ替える」という処理の関係上手札も減らない。戻ってきたクリーチャーの登場時能力を再度使いまわすことも考えられますし、純粋にマナに埋めるカードが増えたりハンデス耐性を疑似的に高める動きにも繋がるのでその後の行動の幅が非常に広く、アドバンテージの取り方がエグい。
ここまで書くといい事しかないように思えるのですが、見出しの通り弱点もあるわけです。
革命チェンジをするためには攻撃をしなくてはならない。一見なんて事のないように思えるのですが、この攻撃をしなくてはならない点がデュエルマスターズにおいては大きな悩みどころとなってきます。
デュエルマスターズの攻撃対象は主にプレイヤー(シールド)かクリーチャーとなるわけですが、クリーチャーは攻撃をした後の無防備な状態「タップ状態」にならない限り特定の能力を除いては自由に殴りかかる事は出来ないというルールになっています。
そうなると、こちらは相手がシールドに攻めてこない限りクリーチャーにクリーチャーで攻撃することは出来ず、必然的に攻撃対象は相手プレイヤーのシールドとなるわけです。シールドを殴るという事は他のゲームでいう所のライフポイントへのダメージになるわけですが、デュエルマスターズの面白い部分として「ライフへのダメージが手札補充や反撃の一手になり得る」わけでして、真剣勝負の場ではこういった「勝ちきる算段がない状態での不用意な攻撃は相手の動きを助けるだけの利敵行為」となってしまうのですね。
革命チェンジは確かに強力ですが背景にそうした駆け引きの存在もあるため、革命チェンジの強さを決めるのは凄く大雑把に言うと「シールドを攻めるデメリットを負って余りある能力」という事になってきます。長くなりましたが以上の理由から革命チェンジを持つぶっ壊れカードは意外にも数が限られてくる、という話になるのですね。
力業で解決する脳筋コンボ
じゃあスタートデッキに収録されてるカードの能力じゃ革命チェンジといえどたかが知れてるんじゃ。と、ここまでの説明では思うでしょう。
それもぶっちゃけ真実です。しかし同時にコンセプト次第ともいえます。
本商品のコンセプトは「連続革命チェンジによる速攻」!!シールドを攻めるデメリットが表層化する前にすべて叩き割ってしまおうという単純明快そのものなデッキになっています。一方で一般的な火文明主体の速攻デッキとは異なり、水文明が中心となる事でスピードアタッカーを始めとする火文明の強みに搦め手を交えつつ着実に詰めていく動きも強いのがミソと言った所でしょうか。
基本的にはあらゆる能力が攻めの継続に長けており、早期に詰みの状況を押し付ける事が出来るようになっているのが強み。マナブーストを利用せずに大型獣の着地を可能にしている革命チェンジの押し付け性能が活きたデッキになっていると感じますね。
その詰みを押し付けられるコンボの一例が4種を用いた以下のパターン。
伝わるだろうか。なんとか伝わって欲しい。
上の図を要約すると、左上端のカードを2ターン目に出した以降はすべて3ターン目の行動です。この時点で大型中型のクリーチャーが立っている上で後続も手札に控えており、相手のシールドは残り一つ。かなり勝ちに近い状況が作り出せています。この速度、スタートデッキではちょっと異常というか誇張抜きで殆どガチデッキみたいな動きをしてくるの結構驚きますよね。
スタートデッキって大抵ブーストしたりドローしたりして4ターン目に切り札が出せればいいなって感じの構築になってることが殆どなんですが、実際は切り札カードが1,2枚しか入ってなくてそう上手くは動かないのが正直な所です。
しかしこのデッキではただ単に上述のコンボでシールドを叩き割るだけであれば、革命チェンジを行えるカードが5コスト帯には6枚、7コスト帯にはしっかり4枚投入されている為理想ムーブが結構現実的なプランになっているという。
というかそもそも論、スタートデッキでこういった複数枚のカードをかき集めて一気に使うコンボデッキ的な動きをするというのが既に珍しかったりしますね。
収録カード紹介
ここからは掻い摘んでデッキの主軸となるカードを紹介したいと思います。が、まあ収録カード全て紹介するのは果てしない文章量になると前回で思い知ったので、今回はより圧縮して、このデッキ独自の強みを担うメンツにより焦点を当てていきたいと思います。
さっきの図説でも登場した序盤のアタッカー2種。
左側のアシスターMogi林檎は所謂「アシスターサイクル」と呼ばれる専用能力で差別化された文明ごとに共通で存在しているコスト軽減クリーチャーです。
コスト軽減というと攻撃とはやや遠い役割を持っているように思えますが、「Mogi林檎」は軽減能力と同時にジャストダイバーという水文明独自の能力が割り当てられており、早い話が1ターンの間だけであれば攻撃されず、相手の能力や効果によっても選ばれないという生存能力に特化したクリーチャーでもあるのです。
これは他の文明に比べて軽減能力をほぼ確実に使うことが出来るというのはもちろんのこと、相手のシールドがゼロの状態で「Mogi林檎」を場に出すと、相手はブロッカーや全体除去でなければ「Mogi林檎」を除去できない。つまり攻撃を止める事が出来ないという状況になります。
現代デュエルマスターズではカードパワーの上昇に伴い、多様な能力を身につけたカードが増えています。結果としてデッキの守りをブロッカーではなく強力なカードに副次的についている除去効果に依存しているというケースも少なくはありません。なのでこういった選ばれず攻撃されないという能力は1ターン限定であっても案外馬鹿に出来るものではないのです。(逆に言うと、めちゃくちゃ強いカードに雑にブロッカーが付けられてる場合も全然あるけど。)
このデッキには「Mogi林檎」を始めとしたジャストダイバーやアタックされない、出来なくさせる効果を持ったカードが搭載されていますので、シールドを割り切った後にそれらのカードを雑に投げつけるだけでもかなり圧を掛けられるようになっています。
で、写真右側にいた調律師ピーカプ/♪音速で本番中にチューニング、こちらも本デッキでは重要度がかなり高いカードであります。
効果そのものは先ほどの図説でも登場していたのでおおよそお分かりいただけるのかなと思いますが、クリーチャーと呪文を選んで使えるツインパクトカードであり、クリーチャー側がパワー高めのスピードアタッカー、呪文側が場のクリーチャーにスピードアタッカーと2回攻撃を付与するという物になっております。バラバラに使うとぶっちゃけどちらも大した効果ではないのですが、クリーチャー側に書かれているメガ・ラスト・バーストという能力語の存在がデカく、これによりクリーチャーの状態でも呪文を放てる状況が生まれます。実際のカードには「このカードが離れて、手札、マナゾーンまたは墓地」と記載されています。
手札?ということは、そう。革命チェンジによって手札に帰ってくる事でもラストバーストの発動条件を満たせるのです。早い話がウィザーズオブザコースト社とタカラトミーは「このカードで革命チェンジしながら、出てきたクリーチャーでもう一回革命チェンジしてくれよな!!」と言っているわけです。
能力はシンプルでも発動できるタイミングが変わってくるだけでかなり強力になるというのがカードデザインとして面白い部分だなと思います。スタートデッキのカードはあまりガチ環境に顔を見せる事はないと思うのですが、このカードに限っては一線級の赤青マジックデッキを組むうえでも独特の挙動故に採用が視野に入ってくるように思えますね。
お次が本デッキの中核とも言える5コスト帯革命チェンジクリーチャー。先ほどの図説では右側のヘルギャモンのみ取り上げていましたが、御覧のようにもう一種用意されています。
その名も芸魔山鷹トリノドミノ。大まかなステータスは共通しておりますが出た時の能力で差別化されており、手堅い能力のヘルギャモンとは逆に生存力よりも手札交換によるアドバンテージ獲得に特化した性能となっています。
能力の方向性が大きく異なるのでどちらが優れているとは言いづらいのですが、このデッキは革命チェンジを繰り返して大型獣につなげる所謂「成長ギミック」と一般的に呼ばれる動きを内包しているのでその点を加味すると芸魔悪狼ヘルギャモンの生存能力にいくらか軍配が上がるのかなと思います。
我々カードゲーマーは基本的に過剰ドローが大好きなので、ついつい快楽を求めて登場時にドローが出来るクリーチャーからトリノドミノに革命チェンジしてしまいたくなります。ただ、革命チェンジの弱点を事前に説明させて頂いた通り相手を倒し切る算段がつかないまま攻撃をするのは結構ハイリスク。トリノドミノを革命チェンジで繰り出す場合は相手のマナゾーンや事前の行動からしっかりと使用デッキとその特性を推理する事が要求されてきます。
そういった背景もあり一見地味な能力の「ヘルギャモン」はジャストダイバー能力によってこちらの損失を抑えやすく、調律師ピーカプ/♪音速で本番中にチューニングを引けていない場合でも革命チェンジを狙っていく事に合理性が出てくるのかなと思います。このデッキの場合は特に5コスト帯の革命チェンジクリーチャーに依存している部分が大きいので、闇雲に彼らを突撃させて残弾を減らしてしまうのはなるべく避けたい展開であります。
続いて本デッキのフィニッシャー、7コスト帯の革命チェンジクリーチャー2種です。
図説の方では動きそのものに注目して欲しかったため、あえてパッケージの切り札ではなく左側の芸魔土車チャトランガをピックアップいたしました。事実、革命チェンジでシールドを叩き割るだけならばどちらを出してもほぼ同じ成果になる上にそもそも能力の方向性が結構似てるんですよね、この2種。
完全に余談なんですけど、これらのクリーチャーはどれも大局将棋という将棋のクソデカい版みたいなゲームで使う駒がモチーフとなっているようで、「チャトランガ」のモチーフである土車は「アメイジン」の龍王と動ける範囲が似ているという事で両者の能力が似ているのも意図してデザインされたものである事がデュエルマスターズwikiにて解説されています。はえーすっごい。
話を戻すと、左側芸魔土車チャトランガはシンプルに「アタックもブロックもされない」という能力。右側の芸魔龍王アメイジンは「登場時に墓地の呪文を好きな数手札に戻し、その後の手札の枚数分以下のコストを持つ相手の場のクリーチャーをアタックもブロックもさせなくする」という能力。
似ていると言いつつ「アメイジン」の能力の文章量が多すぎて「ほんとかよ」という印象を受けますが、どちらもアタックとブロックを回避する能力であるので相手プレイヤーに及ぼす作用としては大雑把には近しい物になってくるのかなと考えています。
以上の事からこれらのコスト7帯のカードに関してはおおよそ同種のカードが4枚フル投入されていると考えてよく、スタートデッキ特有の切り札の枚数がケチられてる問題は意外な方法によって地味にクリアされていると言えます。カードの使い分けが迫られるのはシールドを割った後の話に影響してくる感じであって、この辺りは対面するデッキや盤面の状況と要相談という風になってきますね。
一見すると墓地から好きなだけ呪文を回収できて場の相手クリーチャーすべてを止められる「アメイジン」は「チャトランガ」の完全上位互換であるように思えます。おおよそその認識で間違いではないのですが、「アメイジン」の回収効果は墓地にカードが集中していないと旨味が薄い上に、その後のアタックブロックを封じる効果は回収後の手札の枚数に依存している為早期の「アメイジン」はコストが大きいクリーチャーの動きに干渉できないという小回りの利かなさがあります。また、よしんば早期に手札枚数を確保できたとしても「アメイジン」の効果が発動した後に出てきた後続クリーチャーに対しては一切の意味がないという点は留意しておかなくてはなりません。パワーも低いので意外とあっさり倒されます。
その一方で「チャトランガ」は特殊な挙動をしない代わりに、「チャトランガ」自身を襲うクリーチャーからの脅威に対しては100パーセント安全を確保されるという単純故の確実性が「アメイジン」にはないメリットを生み出しています。なにせ、アタックもブロックもされないからね!!
なので、革命チェンジで殴った後に「自分のシールドもないから相手の攻勢を止めたい!」という状況では芸魔龍王アメイジンを使い、「こちらは余裕があるので自分の攻勢を維持したい!」という時は芸魔土車チャトランガを投げつけるといったような実際は相互互換という関係が正しいのかなと思います。
流石にガチ環境ではこの2枚以外の選択肢も生まれてくるため、「チャトランガ」強いじゃん!!と思っていただく必要はないのですが、スタートデッキ単一で観た場合は意外にも両者の強さは拮抗する場合が出てくるのが面白いと感じるところですね。
デッキのメインを解説し終えたところで、個人的に気に入っている脇役たちをご紹介。他にも紹介した方がいい脇を固めるカードはあるんですが、お気に入り度合いでチョイス。
左側の紅奏龍メルダウはコスト5のマジック・ボルケーノ・ドラゴン。気になるワードが並びます。まずはコストですが、「トリノドミノ」「ヘルギャモン」と同じ「コスト5のマジック」であるためこの「メルダウ」からコスト7帯の革命チェンジクリーチャーにつなぐことが出来ます。便利だね。
何より気になるのが種族ボルケーノ・ドラゴンである点。別に全然強くないんですが、我々勝舞編世代のデュエマファンなら「んおお?!」と目を見開く事請け合いの懐かし種族。ボルケーノである必要性は全くないのですが、ドラゴン指定のサポートが一般化した現代だからこそマイナーとも言い切れない具合のボルケーノがおしゃれポイントとして輝きます。効果自体も実は「チャトランガ」と同じくパックの方に上位互換っぽいカードが存在しているのですが、これまた絶妙に挙動が違うため地味ながら相互互換という事実があり「なんとかうまく使ってあげたい」と思えるカードなのです。ボルケーノだし。
右側の淡いと濃いケローラ/♪瘦せガエル負けるなケローラスパイラルは対照的に隠れたガチカードなのでは、という意味で気に入っております。これもツインパクトで平たく言うと3マナのブロッカー、呪文側でデッキの上から4枚を見て1枚回収のサーチを行えるカード、という感じ。淡泊ではあるのですが、呪文側が2マナという軽さで文明やカードタイプを問わずに4枚という多めの選択肢の中から手札に持ってこれるというのが地味ながら強力だったりします。今回のデッキとはあまり関係がないのですが、クリーチャー側が種族にアウトレイジを持っているのも無駄がなく、呪文でありながら墓地利用デッキでアウトレイジのクリーチャーとして勘定できるのが都合がいいのですよね。
ラストに再録カードの紹介。
どちらもアホみたいに高額なカードという訳ではないのですが、定期的に環境デッキで採用されるため30円コーナーで買う事はそうそうないであろうメンツです。
特に左側のシールドトリガーB.F.F.モーメントが強力で、今現在環境で長らく猛威を振るうデッキへの回答札の一枚となります。具体的には、3ターン目にこちらのシールドをすべて砕きながらとどめを刺しに走ってくる、選ばれたらマナ破壊のおまけがついたインチキフェニックスが存在するのですが、そのカードの攻撃で「BFFモーメント」が捲れた場合「選ばれたらマナ破壊」の部分を回避しながらやり過ごすことが出来るのです。
厳密には発動時に1枚ドローし、それを含めた手札の枚数以下のコストを持つクリーチャーをすべて手札に戻すという効果なので手札を多く抱える必要があるのですが、そのフェニックスがいるという事はすなわち5枚のシールドが十中八九手札にある状態なのでほぼほぼ必ず手札に戻す効果を当てる事が出来ます。
右側の瞬閃と疾駆と双撃の決断(パーフェクトファイア)も入るデッキは選ぶのですが、赤青マジックとの相性は非常に良くもしかするとワンチャン高額カード化してしまう可能性を孕んでいます。今回のスタートデッキでの相性は実際にはほどほどというか、パック排出のカードと組み合わせる事で動きがバグリ散らかす感じになるので改造する際には一緒に「パーフェクトファイア」も増やしてあげるといいのかなと。
このデッキにおいて語るべきは性能よりも、その収録枠の特異性でしょうか。
本来スタートデッキには光っているカードが数枚入りますが、「スタートWINデッキ」シリーズにおいてはパッケージ前面の切り札が2枚・パッケージ裏面を飾るサブ切り札が1枚、で合計3枚であるのが通例。しかし実際にパッケージ裏をを飾っていたのは3枚入った芸魔悪狼ヘルギャモンであり、ホイル加工がされているのは瞬閃と疾駆と双撃の決断(パーフェクトファイア)の方です。
そう、この革命アメイジンマジックで少しユニークなのは、本来デッキ限定のキラカード1枚が入る枠を既存カードの再録枠に充てているという点。一見すると貴重な新規カード枠が潰れているようにも見えますが、実際にサブ切札枠に入るキラカードって結構微妙な性能をしている事が多いんですよね。なのでその枠を再録枠にするのは新鮮味こそ薄れるものの、合理的ではあるというか。
何よりも最新デッキのデザイナーズコンボがパック産の最新カードではなく、登場してそこそこ時間が経って評価も固まり切ったカードによって成立している。というのは普通あまりやらない事です。結果として古いカードが注目される事はあっても、最新のパックから出てこないカードを進んで重要ポジションに着かせるのは、気軽に最新ギミックに触れる事が出来るユーザーが絞られてしまうと判断するはず。そういった点を踏まえて再録の必要が出てくるわけですが、まあ余計なひと手間がかかる事になりますよね。(カードデザインの統一感を損なうという観点でも多少の抵抗があるはず。)
そのひと手間を惜しまず実行したのが今回のスタートデッキ(と最新パック)での再録なわけですが、開発者の方としても割と珍しい試みをされたのでは?と伺えます。実際に、スタートデッキのキラカード枠に再録カードが収まるのは史上初だそうです。
まあ長々しゃべった割にキラカード枠が「パーフェクトファイア」再録なの地味にウケる、という程度の話ではあるんですけども。
以上スタートWINデッキ 革命アメイジンマジックでした。
前回紹介した「聖沌クノイチチェンジ」は冒頭でもお伝えした通り手堅い完成度でスタートデッキとしては前代未聞の安定感を誇っており、「是非一度触ってみて欲しい」という内容に対して、「革命アメイジンマジック」は「とりあえず強いデッキが作りたいならこれが丁度いい」といった具合にデュエマを始めるのにおあつらえ向きな商品というニュアンスでおすすめできます。
純粋にスタートデッキとして見た際にも初心者に向けてアピールするべきギミックが無改造でもしっかり楽しめるというのも大きく、こうした製品を見つめるうえで重要視したい「子供向けではなく子供だましになってしまっていないか」という観点も見事クリアしており素晴らしく思います。
是非皆さんもお手に取ってみてください、と総括を早々と済ませたところでご報告。いやたいしたことじゃねえけども。
なななんと長らく撮影ブースを占拠していたカードの山を遂に片付ける事が出来ました。(あまりにもよちよち歩き過ぎる)
まあそういいながらロボットベースの下半身はデカすぎてまた別途置き場所を整理して用意する必要があるのですが、ひとまず一般的な大きさのトランスフォーマーを撮影するだけの環境は取り戻せたため今後はデュエルマスターズに限らない元通りの更新が再開できるのかなと思います。
残念ながら話題としてのホットさは完全になくなっておりますが、手始めに覚醒プライマルなんかを取り上げられたらなと思っていますね。
それでは、また。
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