SS86-71 ノー

スタジオシリーズ86’

お久しぶりです。今回は11月末に発売のスタジオシリーズ86’から「ノー」で遊んでいきます。

彼はトランスフォーマー ザ・ムービーにて初登場する、クインテッサ星人の私兵シャークティコンの一人です。「一人」とはいうもののアニメでは個人としての扱いは薄く、まとめてシャークティコン、日本では「シャークトロン」として通っています。

玩具では個体名を付けられて「ノー」として発売されることが多く、今回もその名義での発売となります。名称関連が少々キャラクター解説の際にややこしい部分ですが、ふわっと気に留めてもらいつつまずはビーストモードからどうぞ。

ビーストモード

シャークトロンのビーストモード、ご存じサメモードです。

・・・・サメ?サメなんだそうです。

サメには見えない・・・・。でもG1トイではサメの証拠である複数連なったエラもあるし、このトイでもサメの二重歯列を模したような表現がなされており、随所で「俺はサメなんだ」と主張しているのです。自分が生物に詳しくないだけで、多分サメポイントは探せばもっとあるんじゃないかな・・・・。

口を開けるとロボ頭部丸出し系トランスフォーマーです。

サメとしての争点はひとまず置いておき、スタジオシリーズの枠らしくアニメキャラとしての再現度は素晴らしい限りです。上の説明でも軽く触れたようにノーはシャークトロンという種族に属するトランスフォーマーの一人で、アニメでは主にこの形態でワラワラと雑魚キャラめいた活躍をします。

ポジションとしては主役には程遠い印象のキャラですが、このビジュアルと少なくはない出番からもファンの間では知名度の高いキャラクターとなっております。

そのためリメイクトイが出るのも今回が初ではなく、よりアニメに似せたというのが今回のアイテムとなっております。

「シャークトロンと言えば」で多くのファンが想像するのがまずこの姿であり、これより前に発売された「タイタンズリターン」というシリーズの物より、ビースト形態のボディが長く造形されている点が個人的に最も嬉しい部分です。

裏を返せばタイタンズリターン版の時点でクオリティは高かったのでブラッシュアップする箇所が必然的に絞られていたという感じでしょうか。

実はアニメでは目の後ろぐらいの位置に細長いアンテナが1対あったりするのですが、安全基準の問題かはたまた玩具版のイメージも取り込んでいるからか、今回は再現されていません。

各所で話題にもなっている通り変形もダイナミックで面白いのがスタジオシリーズ版ノーの良い所。

ロボットモードに変形する際に胴体をグルンと反転させるのですが、その土台部分にも写真の様にびっしりとディテールが入っており、機械生命体の内部構造を想起させるようになっています。毎回のように言っておりますが自分はこういうあまり目につかない部分で光る仕事にとても惹かれる性分なので、トランスフォーマーのこういう「目に見える以上に凄い」と言える部分は本当に素晴らしいと思います。

それではトランスフォーム!!

ロボットモード

カッコいい。

アニメのイメージを土台にG1トイのスタイルを良くしたような印象。個人的に一番近いのはアニメというよりG1トイのパッケージアートのプロポーションに近い気がします。

アニメの再現という点では意見の分かれる所かもしれませんが、何度か触れてるようにシャークトロン達はビーストモードでの出番が多いので、この辺りは過半数が思い浮かべる「大衆のイメージ」みたいな物を重視しているのかもしれません。(自分も記事を書く際にアニメでの姿を調べたりしたところ、思っていたより相違点があるのに気づいたり。)

とはいえこのトイが「アニメとは別物なのか」と言ったら全然そんなことはなく、頭部の後ろにビーストモードの上あごがフードのように位置しているのはタイタンズリターン版にはなかった再現ポイントです。

今回のロボットモードで個人的に気に入っているのは各部のディテール感だったりします。

首周りのメカディテールなんかは精密感を高める良いスパイスになっていますね。

ビーストの口を開けたところにロボットモードの頭がそのままあるので、一見すると変形トイとしてはチープな印象を与えてしまうかもしれませんが、そこにちゃんと情報量を持たせる事で見所として昇華させているのが素晴らしいと思います。

顔の前にある黒い関節パーツに「歯」の造形が施されているのがサメの二重歯列を再現した物だという点は気付くとおおっ!となる点ですね。自分は二重歯列になっているのは上あごだけだと思っていたので二重に驚きました。二重歯列だけに。

腹部のディテールも凄く自分にはツボなデザインです。

近年の対角線上に綺麗に配置された、工業製品的なメカディテールも現代人なりに好きではありますが、こういった不規則な並びで精密機器の集合体の様な、レトロな文法で施されたディテールは見かける機会が多くない事も相まって魅力的に感じます。

ピコピコと各部が光ってそうなイメージで想像力が掻き立てられます。

アクションポーズ

可動範囲は必要十分にあり・・・・ますが股関節に少々癖があります。

足を垂直に下した状態で左右に股関節を広げようとすると、太ももの付け根が胴体部に干渉するためか、実質的な開脚幅はあまり広くないかもしれません。

とはいえあくまで垂直状態での話であり、写真のように足を前に出せばそこまで干渉はしません。立ちポーズのバリエーションが若干制限されるというぐらいのものですね。

それ以外で言えば腰に回転軸が設けられていないという点ぐらいで、総じて可動性は悪くないかと思われます。二種の武器を使ってかっこよく飾れます。

スタジオシリーズの記事で触れてきませんでしたが、このシリーズは実写もアニメも共通してトイ一式に加えて内箱を兼ねた背景台紙が付属しております。

背景台紙は基本的にそのキャラクターに所縁のある場面の物が付属しているので、それを使ってフォトジェニックに飾ってくれよな!という風情の物。しかし「内箱を兼ねた」と説明した通り台紙のサイズはキャラクターのサイズに依存するので汎用性は高くはないですね・・・自分は勿体ないと思いつつ捨ててしまっています。ちなみにノー付属の台紙は先日紹介したリーダークラスのスラッグとグリムロックが同じ絵柄の大判刷りになっているので代用可能だったりします。

今回はせっかく触れたことなので何枚か撮ってみました。

When I see what I want I’m going to take it ……

ロディマスとチャーのコンビがすごく好きです。

ノーの尻尾武器は5mm接続なのでエフェクトも使えるし他のキャラにも持たせられるので場面再現にもってこいですね。

台紙の下部は商品を立たせる台座になっているので、キャラクターの膝より下が映るような撮り方は出来ませんね。必然的にアップカット中心になります。とはいえおまけとしては面白いものになっているので片付けずに飾る派の方は色々有効活用できるんじゃないかなと思います。

自分も久しぶりに場面再現で遊んだ所、雰囲気が出て楽しかったので使いどころは限られるものの、やはり良いものなのだと思います。

牙が派手なデザインなので飛び掛かるようなポーズがとにかく映えますね。

目の周囲が空洞になっており、眼孔のような構造になっているのが立体感があって面白いです。

とにかく奇抜なシャークトロンをあらゆる角度から拘って作っているのが感じられます。どの部分もシャークトロンの見た目のキツさをより際立つアプローチで盛り付けているのが素晴らしいですね。


以上、スタジオシリーズ86’から「ノー」でした。

ノーはシャークトロンという括りで扱われるキャラクターなのでコンボイやホットロディマスなどの個の立ったキャラのように強い魅力はありませんが、一体でも買えば確実にコレクションの世界観が広がるという点で素晴らしいアイテムだと思います。逆に言えばコンボイやロディマス一体だけでは出せない魅力を引き出してくれるのが彼らだと言えるでしょう。

自分自身シャークトロンのトイを買うのはこれが初めてなのですが、やはり「ザ・ムービー」の世界を味わう上で欠かせないキャラの一人だと思いますし、それを端役と切り捨てず地に足のついた質で商品化してもらえた事が素晴らしい事だと言えます。

群れで活躍するキャラという点もあり、複数買いをするファンは多く市場でも少しづつ姿を消し始めています。自分も探すのにやや手間取ったので、もしも単純に見た目が気に入ったという方は見かけ次第確保するのが賢明かと思われます。

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